残業

金曜日はひさびさに,というかインドに来ておそらく初めての深夜残業をした。8時ぐらいにいったん家に帰ってメシを食って,一休みしたらそのまま職場に戻って再開。7時を過ぎた時点で自分とインド人のインターンひとりしか残っていない状況だったのだが,それでも面白いことはいろいろ起きた。

  • インターンくんが「ちょっと話をしたいんですけど…」というので付き合ってあげた。彼は今はプログラミングをやっているが,マネージャーになるということにも興味はあるという。そこで「あなたがどんなふうにマネージしてるか教えて」というので,自分なりの体験ややり方を語ってあげた。もちろん,「俺個人のやり方で,入社して習得した方法のままだから,グローバル的に通用するかどうかは分からないよ」という断りは入れておいた。ちなみに「いつ入社したんですか?」と訊かれたので聖飢魔IIが解散した年を言ったら「まだ26〜7かと思ってた!アンビリーバブル!」と驚かれたのでちょっといい気分になった。
    で,自分のやり方は極めつけに古臭い。まずWBS的なものを作って,それぞれの作業について成果物の量を見積もって(想像するとも言う),それに対して自分のチームメンバーの実力(の平均値)なら何日掛かるかという人日計算をして,それに基づいてガントチャートを引いて,最後に各人の実力に合わせてチャートをすこし補正する。最初にトップダウンで作業を決めて,最後にボトムアップ式に日程表に落とすというやつだ。
    こんな人日・人月計算ベースのやり方がそこかしこのブログ記事やコラムやらでめちゃくちゃに叩かれているのは重々承知しているし,実際に自分も何度も失敗してきているんだけれども,社会人になって最初に身に着けた考え方を矯正するのは難しいねぇという話と,実際問題として他人と定量的な議論をしようと思ったら,この人月計算はやっぱり今でも便利(正しいかどうかはまた別)という話があって,今でも使っている。
    こんな内容でもインターンくんには新鮮だったらしく,かなり食いついてきたので,会議室に移動してホワイトボードにあれこれ書いたりしながら気がついたら1時間ぐらい話をしていた。なんかとっても生産的なことをした気になって気分さっぱりしたけど,けっきょく自分の仕事はなにも進んでいないのであった。

 

  • 途中でコーヒーを飲みたいと思ってパントリーに行くと,コーヒーマシンの横に付いているスチーマー(スタバとかの機械によくある,コーヒーに突っ込んで蒸気でグォーっと泡立てるアレ)が目に飛び込んできた。これ,一度やってみたかったんだよね。定時中は用務員がいてお茶汲みもその人の仕事ということになっているので自分で触るチャンスがないんだけど,せっかくだからやってみようと思って試してみたら,コーヒーが飛び散って散々な目にあった。

 

  • そろそろ帰ろうかな…と思ってラップトップの電源を落とそうとしていたら,守衛さんが紙とペンを持っていそいそとこちらにやってきた。なんだろうと思ったらその表面にローマ字で名前らしいものが書いてある。「僕の名前なんだけど,これを日本語で書いてみてくれないか?」と言うので,なるほどと思って書いてあげた。カタカナで書いてあげたら「もっと複雑な字じゃないのか?」という。なんのこっちゃと思ったけれど,よくよく話を聞いてみたら要するに漢字らしい字を期待していたようだった。そこで,日本語にはひらがな・カタカナ・漢字の3種類があって,このうちカタカナは(日本にとっての)外国語の言葉を書くために使うもので…みたいなことを頑張って説明したけど,どこまで納得してくれたのかは分からない。

で,けっきょく残業の内容は全部終わらなかったので今日もこれから休出します。