オーナーの襲撃

朝:オートミール(バナナとコーヒー入り)

昼:社食カレー

夜:自炊カレー

 

自炊か社食かはともかく,カレーばっかりだな。日本のカレーは動物性のダシがよく効いていて美味い。こちらのカレーも鶏肉をよく煮込んだものは旨味が出ていて美味い。具材が野菜や豆だけだと,やっぱり限界がある。

 

7時過ぎに家に帰って一息ついていたら突然電話がなる。なんだろうと思ったらなんとオーナーさんだった。なんだろうかと思ったら,「リビングに薄っぺらい緑色のカーペットがあるだろう。あれを新しいものに替えたいから,もし家にいるなら今からそちらに行きたいが良いか?」という。まあ,確かにいま敷かれているカーペットは薄っぺらくて安っぽいものなので,マシなものになるならそれでもいいやと思って承諾。45分ぐらいでそちらに伺うよと仰るので悠然と待っていたら15分ぐらいでドアのチャイムが鳴る。前回もそうだったけど,この人はインド人には珍しく行動が速い。

 

オーナーさんは,カーペットを持った若い人物と,貫禄のあるご老人を伴って現れた。オーナーさんも60歳ぐらいの身なりだけど,ご老人の方はもう70を超えているだろうかという見た目に思えた。若い人物がいそいそとカーペットを取り替えているあいだにオーナーがご老人について説明してくれた。「私の伯父でね,政府で働いていたこともある人なんだ。大物だぞ。この部屋のことを自慢したら,では一度見てみたいというので見せてあげることにしたんだ」という。いや〜日本だとまずありえない超展開。ご老人はチャンドラなんとかかんとかという長い名前の方で,静かで落ち着いた物腰でありながら妙な威厳があり,見るからに大物っぽい人だった(先入観かもしれないけど)。声も重厚感があり,オーナーさんの早口でややメロメロな英語と比べると,ゆっくりと落ち着いた丁寧な英語だった。

 

ここまではいい。

 

問題はここからで,まずオーナーもご老人も,土足のまま部屋をひとつひとつ訪れていく。けっこうショックだったけれど,アメリカなんかと同じできっと室内でも土足なのがこちらの文化なのかもしれないし,メイドさんがきっと床を綺麗に拭いてくれるだろうから,気にしないように頑張った。

さらに,オーナーさんはあらゆる部屋のあらゆるスイッチをONにしていくので,電気はそこらじゅうで灯るし,根本が外れかけたようなファンも回り出す。おまけに,部屋から退散しても電気類は一切消さずに放置していくのだ。彼らが別の部屋に移りきってから,僕はひとつひとつ消灯していった。こういう感覚なら,確かに月々の電気代が12000ルピーにもなるだろう。

オーナーさんはご老人に,英語とヒンディー語混じりで「この部屋は綺麗だろう」「すぐそこにビジネスビルがあって,いろんな企業が入っている」「彼(注:僕)の職場もあそこだから,部屋を出てから歩いて3分だ。近いだろう」といろいろ自慢している様子が伺える。ご老人は落ち着いてふむふむという反応。

 

けっきょく,カーペットを帰る作業は2分で終わり,その後20分ぐらい,部屋中をオーナーさんとご老人に視察されて終わった。で,いま新しいカーペットの上のテーブルでこのブログを書いている。