ハンピ紀行(2)
朝:シリアル
昼:社食カレー
夜:外食
社用携帯がiPhone 4からiPhone 6Sになった。今まで「電話が掛かってきても繋がらない」「電話を掛けても繋がらない」「すぐにバッテリーが上がる」という三重苦状態だったけれど,ようやく他人とまともにコミュニケーションを取れるようになった。
さて,ハンピ紀行の続き。
ホテルにチェックインして一息ついてからさっそく繰り出すことにした。基本的にはMZNさんが持ってきた地球の歩き方を参考にしてメジャーどころを片っ端から訪ねて回ったという感じだったが,正直なところ地名はもう完全に頭から消えてしまった。僕はとにかく目に入ってきた風景を楽しむ性格であり,今回もそれに徹していた。というわけで,地名の紹介は特になく,写真を時系列に並べて行きます。
まず,ホテルから車で10分ほどのところにある遺跡に向かった。
このへんまでは車。この先に大きな原っぱがあって,そこで車を降りてあとは徒歩になる。降りた瞬間に,パイナップルやリンゴなどを切ったものを山盛りに盛り付けたお盆を持ったおじさんが「一個どうだ?」と呼びかけてきた。強烈なパイナップルの香りが漂っていて,正直食べてみたいと思ったけれど,とにかく蝿が多かったので,不衛生な気がして断った。食べたらお金を請求されるのかどうかは不明。きっとされるんだろうな。
徒歩でずっと歩く。最初の遺跡が見えてくるまで10分ぐらいは掛かる。
仔馬。この二回りぐらい大きい大人の馬もそこらにゴロゴロ放し飼いにされている。右足に注目。走って逃げ出さないように縄で縛られている。放牧されている馬のほとんどはこのようにされていた。そのせいで歩き方も不自由で,ちょっと可哀想ではある。
こういう岩が見渡す限りの場所に存在する。ちょっと分かりづらいけれど,軽く大人4〜5人分ぐらいの高さの岩だらけである。こんなもんが崩落して転がってきたら一巻の終わりだな,なんてことをぼんやり考えながら歩いた。
そして遺跡が目に入ってきた。察するに貯水池だろうか。
もっと進んでいくとこじんまりとした神殿?が見えてきた。さっそく踏み込む我々。
上の写真の奥の方の暗がりを撮影したもの。フラッシュを焚いているので中の様子が写っているけれど,実際には自分の手を目の前に置いてもまったく見えないほど真っ暗である。ホラー映画なんかで,1000年前に当時の神官が命をかけて封印した邪悪な化物が隠れ潜んでいて,たまたま迷い込んだバカップルを餌食にして,さらに男の方に憑依して現代に復活,みたいなことが繰り広げられそうな場所っぽい。
これも神殿か何かの跡だろうか。
さらに先に進むと,これまた広大な貯水池らしきものが見えてきた。
パノラマ写真。クリックして原寸大サイズで御覧ください。
そしてクライマックス,いろんな神殿が密集している場所に到達した。
スカッと広い場所に多くの遺跡や彫像が密集している。
石造りの馬車。車輪も石で,驚いたことにそれぞれ単独の車輪として削り出されており,ちゃんと軸に通っている。
馬車を正面から見たもの。
神殿の内側も外側も,繊細な彫刻が丹念に彫り込まれている。たぶんラーマーヤナとかそういうインド神話をモチーフにしているんだろう。
神殿はどれも開放的な作りだけれど,けっこう込み入った内装になっていて,外の光が入りづらい場所も多い。上の写真なんかまさに陰影美そのもの。しばらく見入ってしまった。といっても周囲に人間が一人もいない状態でこんな場所に踏み込んだら怖くてうんこ漏らすだろう。
開放的な部分はとっても明るい。この柱は中空らしく,掌で叩くと反響音が聞こえてくる。柱の真ん中部分が黒ずんでいるのは,観光客達がみんな叩くから。
最奥の部屋を撮影したもの。ここもフラッシュ焚かないと真の闇である。仮にガイドさんがいて「ここは処刑場です。石の台に死刑囚の首をのっけて斬首するための場所だったのです」とか説明されたら信じ込んでしまいそうだ。そういえば今気づいたけどなんか台の横部分に赤い色が付いているな…。
彫刻の見事さは本当に素晴らしい。今見ても凄いのだから,彫られた当時はさぞ美しかったことだろう。
帰り道の途中に,大通りから外れた場所にあった神殿。近くの案内板を見ると「シヴァの神殿」ということが書かれていた。せっかくなので行ってみることにした。なお,ここから神殿にたどり着くまでの間に,絵葉書を執拗に売り込んでくる青年に付きまとわれて閉口した。「50ルピーだから買ってよ」「おーまいふれーんど,買ってよ」「中国人?韓国人?え,日本人?あー,コニチハ」「安いよ〜買ってよ〜ふれーんど」としつこく語りかけてきて一向に退散しない。MZNさんは途中で根負けして買ってしまっていた。僕も買ってしまった。ただ,実際に内容を見てみると割とちゃんとした印刷の絵葉書が5〜6枚入っていて,これなら50ルピーの価値は充分ありそうに見えた。調子に乗ったのかさらに売りつけようとしたので,そこからはまったく目も合わせずに無視し続けていたら,背後のほうから「ヒョーーーーーーーーーーー!ショーーーー!」という甲高い奇声が聞こえてきてちょっとビビった。
で,シヴァの神殿。正直,メインの場所と比べると管理が行き届いておらず,微妙に荒れて見えた。規模も小さくて,とてもシヴァ神を祀っているような場所には見えない。「どのへんにシヴァを感じるといいんですかね」と呟くKさん。
いちおう中に入ってみると,なぜか天井がところどころ黒ずんでいた。なんとなくシヴァ神を感じる(適当)。
帰りは来た道を歩いて戻るだけ。その時点で気づいたのだけれど,10人乗りぐらいの長細いカートが往復していて,みんなそれに乗って入り口からメインの広間まで移動しているようだった。あれを使っても良かったかもしれない。
駐車場のところでMZNさんが再び地球の歩き方を紐解き,次はヒッピーが集うらしい村に行くことにした。というわけで次回に続く。