Tandoorでインド人と昼食

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また2リットルの水ボトルがエレベーターの中に置いてあった。この2年半の滞在期間中に10回ぐらい見た気がするが、ほんといったい何なんでしょうなコレ。

 

さて、しばらく前に同じマンションに住んでいるご年配のインド人紳士Dさんと知り合いになり、マンション周辺をジョギングしている時に何度かお見かけして立ち話したり電話番号を交換したのだが、その人から「今度いっしょに昼食でも食べながらゆっくり話をしないか」と誘われたので、相棒とともにご一緒することにした。その紳士の方も奥様とご一緒である。もうリタイアされていて、お子さん二人も成人し結婚もしているということで、完全に悠々自適である。あとで説明するが、もう僕のような骨の髄まで庶民な一般人には想像できないほどの優雅な悠々自適っぷりで心底たまげた。


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Dさんの提案で、MGロード沿いのTandoorというパンジャブ料理の店に行った。イメージとしてはPunjab Grillのレベルアップ版といったところだろうか。結論から言うとまず間違いのない味で、日本人の口にも良く合う。インド料理を食うぐらいなら死んだほうがマシだというような人でなければ、一度は行ったほうが良いだろう。


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とにかく雰囲気が良いんざますよ。インド人もアジア人も欧米人もカップルも家族連れも巨大ファミリーもいて、よく賑わっていた。

 

タンドリーチキンやナン類を焼く場所もお客さんから見えるようになっていて、Dさんに勧められて見に行ったが、これが楽しかった。白人のお姉さんも覗きに来ていて、Dさんがそのお姉さんに楽しそうに解説していた。
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まずナンの生地を小麦粉をふった台の上で指で押し広げて、


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例の両手でパンパンするやり方で広げていく。


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暗くて見づらいが、手のひらよりちょっと大きい丸みのある板に生地を載せて、

 

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タンドール(窯)の壁部分にバシっと貼り付ける。


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窯の様子。張り付いているナンがうっすらと見えるだろうか。


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取り出したナンを目の前に出して見せてくれた。ここにさらにバターだかギーを大量に塗るというかふりかけるというか、いっぱい掛けていた。そりゃ美味しいわ。

 

席に戻っていろいろ会話をしているうちに料理がどんどん出てきた。


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タンドリーチキン。これが最高に当たりだった。日本のタンドリーチキンってパサパサしていて正直あまり美味しいと思ったことがないのだが、これは実にジューシーで柔らかく、外側がパリッとしていながら肉は肉汁たっぷりである。他のローカルのレストランでもここまでジューシーなタンドリーチキンはまだ見たことがない。


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ダル(豆)カレー。しっかり味が付いていながら優しいまろやかな味わいで、ナンが良く進む。ナンがなくてもそのまま食べられる。

 

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バターチキン。トマト嫌いでないかぎり、これが駄目という人はいないだろう。外れに出くわすほうが難しい安定の美味。


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ナン。バターがプリタツでうまい。


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デザートにはアーモンド入りのライスプディングを食べた。甘いけれどグラブジャムンのような歯を突き抜けて歯神経を蹂躙するヤバいレベルではなく、上品な味わい。

 

Dさんはアメリカ資本の入っている会社のOBで、現役時代はアメリカ人含め様々な国の人とビジネスでお付き合いしてきたとのことで、世界中をビジネスや旅行で回っている経験のある方なのだ。ご夫婦でも世界中を旅しており、アフリカ以外はほぼ制覇したという。もちろん日本にも行ったことがあるそうで、旅行会社も何も使わずに全部自分で手配して、東京から金沢を経由して大阪・京都・広島という順に旅をしたという。そして、来週金曜から8週間(!)掛けてニュージーランド・オーストラリア・香港を旅する予定がすでに待ち構えている。ニュージーランドに2週間、オーストラリアに4週間(主だった都市は全部回る)、香港に2週間という予定だそうだ。規模も時間尺度もスケールが違う。

お二人とも実にわかりやすい英語を話す方たちで、いわゆるインド英語的なキツい訛りがまったくない。僕らのためにだいぶ配慮してくれたということもあると思うが、とても上品で優雅な口調だった。深く突っ込んで訊いてはいないが、おそらく相当裕福で教養ある家柄であると思われる。

 

食事が終わってBrigade Gatewayに戻ってから、お二人のご自宅に招待してもらい、少しお酒を飲みながら歓談した。ご自宅の中は、これが同じマンションとは信じられないほど清潔で管理の行き届いた内装だった。カーペットや調度品も高級かつ上品なもので、広々としていて快適な空間になっている。なんでももともとはもう少し細かく壁で仕切られていたらしいが、壁をぶち抜いて部屋をつなげ、広い空間になるようにリノベーションしたのだという。そうか、賃貸じゃなくて自分の持ち家だからそういうことができるんだな。相棒は自宅と比べながらカルチャーショックを受けて興奮していた。

 

日本茶のプレゼントを渡し、良い旅をお過ごしくださいと挨拶をしてお別れし帰宅。Tandoorは最高に美味だったのだが腹にずっしり溜まるので夕飯は抜き。なんとなく我が家の老後の参考にして思いを馳せる1日だった。うちが8週間も海外旅行したらそれだけで老後資金が尽きてしまいそうだが。