Pineapple Express

最近は夜ベッドに寝っ転がるとスッと寝てしまう。日記の更新も忘れて。健康的で良いことだ。

 

金曜日は、真っ昼間どころかその手前の11時ごろから、やけにハードロックやヘビメタっぽい音楽が会社の外から大音量で鳴り響いてくる。例によってOrion Mallの広場で何か催し物をやっているらしい。しばらくずっと聞こえ続けていた。慣れっこになったとはいえ、迷惑このうえない。

 

そういうわけで、もう日が暮れてしまったが退社後に様子を見に行ってみた。

 

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Pineapple Expressというバンドだそうだ。6 PMと書いてあるが、この写真を撮った時点でもう7 PM過ぎである。そのわりに妙に静かで曲も観衆の声援もぜんぜん聞こえてこない。

 

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なんと金曜日から日曜日の三日間、朝から晩までずっとやるらしい。金曜日朝にうるさかったのは「Battle of Bands」というイベンドだったのだ。

 

Pineapple Expressのイベントは500ルピー払えば最前席で観賞できるらしいのでそれを買った。買った後で「やけに静かだな」と訊いたら「テクニカルプロブレムで遅れているんだ。あと10分ぐらいで始まるから大丈夫だ」と言う。よくある話だが、それにしても余裕で1時間以上遅延しているというのは凄いな。

 

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待っている間の最前列はこんな様子だった。当たり前だが、ほとんど人がいない。そりゃそうだろう。飛行機ならともかく、バンドのコンサートごときにせっかちなインド人が1時間以上も待てるわけがない。むしろこの待っている少数の人達の根気が凄い。

 

僕がここに入った時点で7:30 PMであるが、ずっとこんな調子で観客は待ちぼうけだし、イベントも一向に始まる様子がない。スマホを見て時間を潰そうにも、電波の入りが異様に悪くてまったく4G通信できない。

 

そうしてもう8時になろうかどうかというところで、ようやく会場にスモークが立ち込め、バンドメンバーたちがステージ上に現れた。

 

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まだ始まっていません。

 

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そしてようやく照明が入り、バンドメンバーが動き出した。「いろいろトラブルがあって、こちらから見える風景がちょっと寂しいけど、だからといって今いる君たちが楽しめないわけじゃないぞ〜!」という涙ぐましい前口上で頑張って盛り上げて、残っている人たちもみんなワーワー歓声を上げていたが、ぶっちゃけ虚しい。そりゃそうだろう。本当はこの会場に300人ぐらい入った上に会場の周りも立ち見がいっぱいになるはずだったのに、この遅延のせいで客が20人もいないのだから。下手すると運営スタッフの方が多いぐらいである。テクニカルプロブレムを引き起こした運営サイドはみんな百叩きのあと島流し確定だな。

 

始まった!

そうして始まったバンドは超ノリノリで、例によって伝統的な横笛にモダンなロック・バンドを合わせたようなコンセプトのグループだった。曲調は、なんだろう、僕はぜんぜん詳しくないのだが、いわゆるパンクだろうか。たとえばこんな曲調の歌がもっと明るくなったような感じである。

 


GG Allin - NYC tonight

 

「パンクバンドの曲」というと、俺はいつもいつも最高に欲求不満で俺以外みんなマザーファッキンなアスホールばかりだから世界中にウンコとションベンを撒き散らして何もかも台無しにしてやるぜ〜!みたいな世界観の歌ばかりで、それを好んで聴く中学生や高校生ぐらいの小僧たちが壁にスプレーで落書きしまくってるイメージしか僕の頭には浮かんでこないのだが、このバンドはカンナダ語(?)で歌っているので歌詞の内容がぜんぜん分からない。しかし、横笛のピーヒャララーとした軽快な音と、バンドの人達全員がノリノリで楽しそうに歌ったりする演奏とが相まって、青春だとか恋愛だとか、そういう健全な世界観なんだろうなという印象を受けた。印象を受けただけである。本当は「どいつもこいつもそびえ立つクソばっかりで許せねぇ!みんなKOROSU!」みたいなことを歌っているのかもしれない。Pineapple Expressのみんな、マジごめん、演奏を見つつ周囲に合わせて手を叩いたり歓声を上げたりしながら、頭の片隅でずっとこんなことばかり考えていたよ。

 

なにしろ最前列なので音量が大きすぎて閉口した。耳が痛くなってくるし、内臓がブルブルと震える。楽しくないわけでもないのだが、このままだと本当に難聴になりそうなので適当なところで退散した。もっと観客が多ければ後ろの方でいっしょに聴いてたかもしれないけど、寂しい感じだったし。

 

そうして家に帰ったわけだが、そこから30分もしないうちに演奏が終わってしまった。その時点で9時ぐらいだったので賞味1時間も演奏していなかったと思うのだが、もし予定通りに6時から演奏していたら、きっと大歓声に包まれながらたっぷり3時間ぐらい演奏する予定だったのだろう。今ごろ大反省会してるんだろうなと想像した。

 

なお、この記事を書いている今は土曜日の朝11時だが、本日9 AMから始まっているはずのBasic Music Workshopが始まっている気配が感じられない。