現代っ子

僕のプロジェクトに、IIScの青年がインターン生として入ってきている。本業は学業なのでフルタイムで職場に来るのは当然無理だが、週に1〜2回ぐらいのペースで出社してあれこれ調査・研究してくれている。

そんな彼は最近のIT系の若者らしく、こちらが依頼するさまざまなデータ分析や可視化について、Pythonを駆使して手早く対応してくれる。入社したのはJavaがやっと本格的に普及しはじめた頃で、「スクリプト」なんていうとシェルスクリプトJavascriptPHPCGIがどうたらという理由で齧ってすぐ忘れた)ぐらいしか馴染みがなく、Pythonなんていちいちリファレンスを見ないとHello Worldすら書けない僕にとっては、あぁこれが今どきの若者なんだなという思いで彼を頼もしく見ている。

 

そして今日、会議の場で彼が自分の成果を披露することになり、研究の入力データであるEXCELファイルを開いてプロジェクタで投影した時に、そのEXCEL中のデータを、説明のためにEXCEL中で昇順に並べ替える必要が出てきた。すると、彼が妙にまごまごしはじめた。

 

「ん?どした?」

「いや、ソート(並べ替え)ってどうすれば…」

 

つまり、彼のような最近のIT系の学生で、かつデータ分析を専門的に追求しているような若者にとって、EXCELはもはやぜんぜん馴染みのないものなのだ。家計簿のような他愛のないものや、今回の調査でたまたま使った比較的小規模なデータならともかく、彼らが普段研究しているのはEXCELでは到底手に負えないビッグデータなのだから、そういうものはそれこそ自分でスクリプトを組んだりより専用性の高いツールを駆使して分析するのが当たり前で、EXCELの出る幕なんてほとんどないだろう。その場にいたインド人ボスは「お前にとってはEXCELはレガシーすぎるんだな」と言いながら大笑いしていた。

 

ジェネレーションギャップというのはこういうことかと思った。