クレジットカード

Mさんがクレジットカードを作るためにCitibankのエージェントを会社に呼んだとのことで、「どうせなら君も作る?」ということで一緒に手続きさせてもらった。日常的なことはデビットカードでだいたい事足りるのだが、ホテルに泊まるとか飛行機のチケットを取るような時は、やはりクレジットカードの方が便利というか安全ではある。日本で作ったクレジットカードだと決済時に円建てにするかルピー建てにするか訊かれたりして面倒だし。

 

が、11時に会社に来るはずのエージェントから10:30頃にメールが来て「会議が入ってしまい長引いたので到着が11:45になります」と言われた。インド生活3年目が終わろうとしていて大抵のカルチャーギャップには慣れたつもりだが、このへんの感覚というか神経は未だによく分からない。そもそも客先に行く前にそんな会議入れるなよってのもあるが、そんな理由をこれから会う客にストレートに言うものだろうか。正直でよろしいのかもしれんが、せめて予期せぬ事情だとか交通事情とかいう風にボカせよ、と。自分の脇の下あたりから獣臭と共にドス黒い不機嫌オーラが漂ってくるのが分かった。

 

で、そのエージェントは結局12時頃に現れたのだが、必須だと事前に言われたので頑張って準備した給与明細3ヶ月分の書類を「不要です」とバッサリ斬って捨てられたり、逆に事前にまったく何も言われてなかった「運転免許証」を見せろと要求されて困惑したりした。「我々インド人ではないから運転免許なんて持ってないですよ」と伝えると、「いや、日本のでいいから」という。なんでも日本の居住地の証明書が欲しいらしい。「パスポートの背表紙裏じゃダメか?」と訊くと、そこは手書きだからダメらしい。そんなこと急に言われてもな。

Mさんはどうにか財布の奥から免許証を発掘してきたが、僕は持ってない。どうしようかと思案していた時に、まったくたまたま日本の戸籍謄本を持っていることを思い出した。「Family Registerじゃダメ?」と訊いたら、意外な提案だったらしくエージェントにはちょっと困った表情をされたが、「とりあえず写しをください。本部の意見を伺ってみる」となったので、コピーをとって渡した。なお、Mさんの場合も僕の場合も、その内容を英訳しろと言われた。おかげでエージェントがシコシコと書類を作成している間に必死で翻訳することになった。

 

いちおう手続きが完了してエージェントが退去してから「こっちでクレカ作る日本人がほとんどいないのはコレが理由だな」ということでMさんと意見が一致した。こんなしち面倒臭いことになったら、大抵の人はギブアップして投げ出すだろう。