ヴァラナシ2

本日、隣の部署のトップになるIさんが来られた。これで隣の部署は昨日のお二人と合わせて3人の新任者全員が揃った。ちなみに僕の部署は新任は誰もいません。今日は喉にまだ痛みが残っている以外は体調も万全なので、ふたたびYさんのお誘いで皆でHighに行き簡単に歓迎会を開いた。今日は他にもインドあるあるなことがいろいろ巻き起こったのだが、もう書くのも面倒くさいので省略。キッチンの地盤沈下が直る日は遠そうである。

 

さて、ヴァラナシの二日目について。

この日は早朝5:15にホテルの受付を出発して、再びガンジス河に向かった。ガイドも同行者も昨日と同じメンツである。日照時間が長くなってきたこともあって、この時間でも結構明るく、街もさすがに夜ほどではないものの既に人や車が多い。

 

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昨日と同じルートでガンジス河に着いた。地平線の雲が厚いためか朝日は見えない。あるいは実はまだ地平線の下なのだろうか。

 

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ボートもそれほど多くなく、河が一層広く感じられる。といっても、周囲を見渡すとそれなりに観光客用のボートは居て、欧米人のツアー客がたくさん乗っていた。

 

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さすがに昨日夕方ほどの人は見当たらない。といってもそれは比較論であって、逆に言えばこんな5時台でもこんなに人がいるんだ!とも言える。

 

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むしろ朝方のほうが沐浴している人が多いかもしれない。沐浴っていうか入浴か。神聖な行事なのか単なる日常なのか、一介の旅行者にはもはや判断つきませぬ。

 

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お。

 

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おお。

 

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おー!

 

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キター!出ましたご来光。これはいい。なんだかんだでこれは印象深い。僕はそこまで視覚型の人間ではないのだが、これはガッチリと心に刻まれた。仏教が開かれた2500年前もきっとこれと同じ風景だったんだろうなと考えると実に感慨深い。個人的には、この写真の一つ上の、太陽の下にボートが映えている写真がベストショットだ。

なお、この時点の太陽はちょっと目を細めさえすれば肉眼でも見れるのだが、ここから10分程経てば眩しくて凝視できなくなる。

 

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だんだん人も増えてきた。

 

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川岸で沐浴していたおっさんたちが一気に河の中心に向かって泳いでいく。出っ腹でマリオのように口ひげを生やした、どこから見ても50絡みのサンオツたちだったのだが、ウォー!とかヌオォー!とか雄叫びを上げて笑い転げ、子供のように騒いでいた。これは絶対に沐浴じゃなくて単なる遊びだろう。

 

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逆光でガイドさん。これもなかなか良いショットだと自画自賛してみる。

 

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さらに一枚。このあたりから既にだいぶ眩しい。写真だとやや薄暗く見えるが、実際にはもう空の青さが分かるぐらいには明るくなっている。

 

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行き交うボートも増えてきた。

 

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人も一層増えてきた。

 

見るものも見たしな、というわけで、このへんで引き返してツアーは終わり。川岸にボートを停めて、ガイドさんとはそこでお別れである。特に感動的な盛り上がりもなにもなく、淡々と挨拶をしてあっさりと別れた。ビジネスライクだがちゃんと気配りしてくれたし、お金をせびってきたり押し付けがましい事も言わず、本当に良いガイドさんだった。このあとは例のイスラエル人氏を先頭にふたたびホテルに向かう。今回は危なげなく戻れた。

 

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街はすでにして活気にあふれていた。店はさすがにまだほとんど閉まっていたが、人や車の行き交いはすでに昼間のレベルである。この人達はいったい夜寝るまで何をして過ごしているんだろうか。

 

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最後に一枚。空が高い。あの日の光が実は波動砲の砲口で、こっちに向かって射出されたらヤバイな、なんてことをふと考えた。

 

このあとホテルで軽く朝食を食べ、チェックアウトしてホテルに手配してもらったタクシーで空港に向かう。空港は例によって何も無いので暇だったが、そこは適当に歩き回ったり土産物屋を冷やかしたりして凌いだ。バンガロールに戻るIndigoが途中でかなり揺れて肝を冷やす。飛行機に乗るっていうのは本当にギャンブルですな。予定通りに昼過ぎにバンガロールに到着。気温は高いが空気が乾燥しているぶんだけまだマシ。ヴァラナシは本当に暑かった。この時点で実は喉が少し痛く体が怠かったのだが、まだ多少動けた。人混みはつくづく苦手である。メンタル面じゃなくてフィジカル面で。

 

「ヴァラナシを訪れたものは何かを置いていかねばならない」の件だが、いろいろ考えた末、一大決心として「家では酒は飲まない」という誓いを立てた。家で酒を飲まないようにするだけでも個人的には大きな変化である。なお、外は別です。付き合いや社交を台無しにするほど野暮でもないから。

 

暑すぎてヘバッたことを除けば、ヴァラナシは実に興味深くて面白いところだった。もう一度、今度はせめて爪先ぐらいは河に浸すつもりで来てみたい。10〜15年ぐらい経って、子供がある程度物の分かる年頃になったら、また家族で来てみようかと思う。きっと、10年後はおろか20年後も、この街はさほど変わらないだろう。それは、良いことだと思う。