週末

以前からお付き合いしているDさんのご自宅に招かれて昼食をご一緒することになった。本来は土曜日の11:30にご自宅に集合という話だったのだが、当日の朝になってDさんから電話が掛かってきて「妻の歯が悪くなったので抜きにいって、いま医者なんだ。11:30には戻れないから、12:30にまた連絡する」とおっしゃる。「いや、そんな状況ならどうぞ奥様優先でお願いします」と言っても「ランチはもう準備できているんだ。大丈夫だから、ちょっとだけ時間をくれたまえ」ということで、おとなしく待つことにした。教養豊かで万事紳士的な彼も、こういうところはちょっとインドっぽくて面白かった。

 

で、12:30になったらまた連絡が来て「いまやっと家についた。10分ぐらい時間くれ、それから来てほしい」というので「じゃあ13:00に行きますよ」と伝えて「オー、それはグレートアイディアだ」となった。グレート。

 

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そして、お土産のワイン2本を持ってご自宅に伺うと、Dさんと、抜歯したあとらしく顔半分が麻酔でちょっと麻痺しているっぽい奥様が笑顔で出迎えてくれた。Dさんとはお酒をいただきながら少し歓談し、そして昼食が始まった。これ全部奥様が腕をふるって作られたそうで、見るからに美味しそうなのだが、実際に食べてみるとこれがさらに美味しい。ひとつひとつ全部解説してくださったのだが、一番手前左のオレンジ色のものは特殊なマンゴーを使ったソースで、ご飯やパロタにつけて食べる。一言で表してしまえばマンゴーシロップなのだが、これが不思議とご飯に合う。ここにさらに、奥様お手製のタマリンドのチャツネを混ぜると、味わいがいっそう複雑になって楽しめる。こんな感じでインドの東西南北あらゆる場所の風味を持った料理が並び、そのどれもが美味しいのだが:

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実はこれがダークホース的な旨さを放っていた。これは要するにチリをまるごとカード(ヨーグルト)に漬け込んでマリネし、その後カラカラに干すだけなのだが、これを指で砕いてカレーに混ぜ込むと風味が一段とアップする。あまりの美味しさにこれを大絶賛しまくったら、とても喜んでくれてこうやってお土産に持たせてもらった。塩味も強くて、おそらくマリネするヨーグルトの中に結構な量の塩が混ぜ込んであるのだと思うが、このおかげでふりかけのようにご飯にかけるだけでも結構美味しい。もちろん激辛なので僕は汗だくになったのだが、それを乗り越えてでも食べる価値がある。おそらく豚肉や鶏肉を焼いたものに振りかけるとたまらない旨さになるだろう。

お酒を飲み、いろいろ歓談しながら3時過ぎぐらいに失礼して帰宅。たいへんごちそうさまでした。こういうローカルの人とのコミュニケーションもまた楽し。

 


 

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何気なく映画用サイトを眺めていたら、もうゴジラ2が上映されていることを知った。子供時代からの怪獣・特撮ファンとしてこれは見逃せないだろう。というわけで日曜日の最終上映を観にOrion MallのPVR Cinemaに向かった。僕は他人に対してネタバレを避けるような配慮ゼロどころか積極的にネタバレを仕掛けて嫌がらせする超無神経人間なので、スポイラーが嫌な人は以下は読まないほうが良いです。といってもネタバレがどうこうとなるような深いストーリーでもないけれど。

 

  • 前作に引き続き人間ドラマ部分は基本面白くないのだが、でも人間が介入していろいろ動き回らないとストーリーが発展しないから、こればかりは致し方ないんだろう。放っておいたらただ怪獣たちが世界中を暴れまわって破壊するだけだしな。
  • 渡辺謙こと芹沢博士が前作とは打って変わって大活躍し、驚くほど流暢な英会話も披露する。面構えも濃いし眼光鋭いので、他のハリウッド俳優たちに存在感で負けていない。
  • 核弾頭が、ピンチに陥ったゴジラを救う…というか休憩中のゴジラに対するカンフル剤みたいな役割で登場するのだが、きっと日本のディープなゴジラファンの中には「そんなの絶対に許さん!」みたいな感想を抱く人も出てくるだろう。僕はそこまで気にしないのだが、そういうことを言う人達の気持ちも分かる。しかし、そもそも近年の日本のゴジラだってもう反核のテーマ性はぜんぜん帯びてなかったから、いまさら言っても詮無いことだと思う。こういう映画は頭を空っぽにして楽しく観ればそれで良いのだ。
  • 怪獣が登場するシーンはもれなく大満足。格闘シーンもど迫力だし、ゴジラの放射火炎も前作はちょっと細くて頼りない感じだったが今回はぶっといレーザーになっていて、直撃するとギドラの巨体が瓦礫を撒き散らしてぶっ飛ぶので最高。ピンチになったギドラが電気を吸収(?)して全身から放電しつつパワーアップするのも最高。ゴジラvsデストロイアみたいに体が赤熱した状態からの体内放射が決め技だったのも最高。もうとにかく最高。日本の着ぐるみ演技も悪くないと思うんだが、やっぱり今日のCGにはもう敵わない。着ぐるみじゃ絶対に演じたり撮影できないようなシーンがバンバン出てくる。シン・ゴジラみたいな変化球ならともかく、王道の怪獣バトルはもう日本では作れないだろうな。ハリウッドに渡ったせいでハードルが高くなり過ぎてる。
  • 不満というほどのものでもなのだが、いまいち釈然としなかったのが最終バトルでのゴジラの復活ぶり。モスラのおかげなのか、単に核エネルギーが暴走してああなっただけなのか、良く分からない。なんとなく後者のほうがしっくりくるのだが、だとするとモスラが登場する意義がほとんど無い気がする。
  • エンディングではスタッフロールに合わせていろんな新聞記事やニュース映像が流れるという演出になるのだが、スカルアイランドというキーワードがやたらと出てきたり、ゴジラキングコングっぽいシルエットが闘っている古代絵みたいなものが映し出されたりして、いよいよ次はキングコングvsゴジラなんだろうか。でもコングは基本いいヤツだし、ゴジラゴジラで人間を積極的に襲うわけじゃないから、闘う理由があまりなさそうだよな〜。このへんはどうなるんだろうか。あと4〜5年後ぐらいだろうか。楽しみに待つことにしよう。

上映直前にインド国家斉唱が始まったり、モスラが羽化して羽(翅)を広げる最高のキメシーンで空気を読まず休憩が入るあたり、あぁいつものインド方式だわ〜と和んだ。上映が終わって映画館を出る頃には深夜0時を回っていて、小降りの雨の中をダッシュで帰宅。もう月曜か…。