ハリーム(を食べられなかった)

もう何ヶ月も前のことだが、日本からの出張者御一行がバンガロールに来ることになって、事前に彼らに会食時の食事の希望を訊いたら「ハリームを食べたい」と提案された。ハリームってなんぞ?ということでググると、真っ先にWikipediaのページが出てきた。ウェブの集合知ってのは本当に凄いな。30年前の世界で「ハリーム」と聞いて調べようと思っても、どこから調べていいかまったく検討もつかない。やっぱり平凡社百科事典だとかブリタニカ(日本語版)だとか、まずはそういう文献にあたることになるんだろうか。

 

で、そのハリームの説明を見ると妙に美味しそうなのでたいへん興味をそそられ、バンガロール内でハリームを提供する店を探してみたのだが、これがまったく見つからないのである。イスラム教徒に馴染みの深い料理らしいので社内のイスラム教徒の人に訊いてみたら2店ほど候補を教えてくれたが、いざ電話を掛けてみると不通だったり、繋がっても「もう店は畳んだ」と言われてしまったりで、どうしようもなかった。けっきょくハリームを所望した人にはその旨を伝えて諦めてもらうことにした。

 

それ以来、このハリームという料理を一度は食べてみたいなぁと想い続けており、ラマダンの時期にハリームのためだけにハイデラバードに出張の用事を作って飛んでみようという、邪なことを考えたりしていた。

 

…ところが、それがよりにもよってオリオンモールのフードコートにあることを偶然知ってしまったのだ。先週末、諸事情でスマホを持っていなかったので写真を撮れなかったから特に触れなかったのだが、家族でフードコートに昼食に行ったときに、Baskin- Robbinsのすぐ隣にある店で、ハリームが提供されているのを目撃してしまったのである。この店で出しているのはチキンを使ったハリームである。本来はラムを使うものらしいのだが、ちょっと臭そうな気もするので、初心者の僕にはチキンでちょうど良かった。僕はモツ系が大の苦手なので、もしハリームが肉だけでなく臓物も使っていたらどうしようかと少し気を揉んだが、食べてみると特に臓物臭もなく、ただただ濃い旨味だけが口の中で炸裂する、クリーム状のスープだった。

 

今日の昼、アレをまた食べたくなったので、お昼休みになったらすぐにオリオンモールに行った。平日の昼にココに来る機会はあまりないのだが、日本人っぽい人や香港人っぽい東アジアの人々がずいぶん目についた。なんだこれは。

 

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コレは今日撮影した写真です。このあと残念な結末を迎える。

ワクワクしながらその店に行くと、ハリームの張り紙が無い。あれぇ〜と思いながら店員に訊いたら、あれは週末しか提供しないのだそうだ。平日の5日間を使ってハリームを作り、週末に売り切る、という作戦らしい。そういう理屈はいちおう理解できたので引き下がったけど、つくづく残念だ、残念極まる。

 

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地獄の憂さ晴らし。しかし自分の胃もダメージを食らう。

職場に戻ってカフェテリアのカレーでも食べようかと思ったが、それもなんだか切ないので、すぐ近くにあるEmpireに行ってCombo 3を頼んだ。これはこれで美味しいのだが、どうにもこうにも「違う!これじゃない!」という感覚を拭えなかった。そして、相変わらず量が半端ないので、食べ終わったそばから胃が重くて辟易した。その後夕方を過ぎて日が暮れても、なんだか喉元に炭酸水がせり上がってきたような謎の刺激を感じたりした。これは、あれか、胃酸過多というやつか、それとも逆流性食道炎というやつか。Empire美味しいんだけど、重すぎていつも困るのよね。そのせいで8時過ぎぐらいになってもまったく空腹にならない。まあ、それでも家に帰ったらガッツリ食べましたけどね、夕飯。

 

今度また週末にフードコートに行ったときには写真を撮って載せます。