参った

12月1日朝に日本に到着し、その日は家族でゆっくりしつつ2日から仕事に出た。この日は全国的に大雨が降り、僕も移動中にずぶ濡れになってしまった。靴の中までぐちゃぐちゃに濡れた状態で打ち合わせを午後3時ごろには終えたのだが、そんな状態だったし、翌日に人間ドックを控えているということもあって、午後5時ぐらいに早い夕飯を済ませてさっさとホテルに戻った。

夜8時ごろだったか、突然猛烈に発熱し、胃が絶不調になって、我慢できずにホテルの部屋のトイレでゲーゲー吐いてしまった。そのうちに下の方も具合が悪くなりだし、ピーピーの超下痢状態になった。夕飯に横浜のちょっと薄暗くて昭和感が漂うラーメン屋でチャーシューメンと餃子を食べたのだが、それが全部ゲロになって出てきた。さてはこいつのせいか。水を飲んでも5分後ぐらいには下からシャーシャー出てくる。何なんだこれは。以前、今は亡きDistrict 6でミディアムレアのステーキを食べて超サルモネラ的な症状に見舞われたことがあったが、あれによく似ている。しかしまさか日本でこんなことになるとは。率直に言ってかなり動揺した。とりあえず水も飲むのは控えて、もう下痢も出なくなったことを確かめてから寝た。ベッドの上に粗相したら末代までの恥だなと思いながら。

翌朝、本当は人間ドックに行くべきなのだが、こんな状態では行けたものじゃない。クリニックにキャンセルの電話を入れて、ホテル最寄りの内科病院に向かった。担当してくださった先生と雑談も交えていろいろお話したのだが、まとめるとこんな感じだった。

  • たぶん急性胃腸炎だろう。珍しいことではない。
  • (食中毒だろうかと訊くと)集団発生でもない限り、因果関係の証明は難しい。疑いだすとキリがない。
  • (自分はインド暮らしなのでだいぶ免疫が強化されてると思っていたとボケると)日本もそれなりに不潔である。たとえば電車の吊り革。どんな人がどんな手で触っているか分からない。両手で口元を押さえてくしゃみをカバーした人が、その手でそのまま触っているかもしれない。そうなると風邪菌もその人の口の中の雑菌もみんな吊り革に付着する。一事が万事こんな感じだから、あまり清潔だとは思わない方が良い。
  • 結論として、食事前の手洗いはきちんと実践してほしい。

 

そういうわけで、整腸剤やビフィズス菌の錠剤のようなものを3種類ほどもらった。人間ドックは何気に楽しみだったので残念極まりない。採便も済ませていたのだが、この容器どうしよう…。直感的には注射針とかと同じように使用済み医療器具みたいな扱いじゃないかと思ったのだが、おずおずとクリニックに電話を入れて確かめると「あ、普通に燃えるゴミに捨てていただいて良いですよ」と言われた。そう言われてもちょっと気が引けるのだが、プロが言うならそうなんだろう。そういうわけでホテル自室のゴミ箱に捨てた。

会社側にも人間ドックをキャンセルした旨を伝えたら、医務室の方が「我々の医務室にもけっこう胃腸炎の方が訪れるので、珍しいことではない」と、病院の先生のコメントと同じようなことを言った。そうなんだな。

電車の吊り革の話を聞いてしまったせいで、目に映る何もかもがにわかに不潔な病原菌まみれに見えてしまってウンザリした。とりあえず除菌ティッシュを買って、電車の吊り革や手すり棒はそのティッシュ越しに触るようにした。人はこうやって潔癖症になる。なんとか仕事はできるような体調になったものの、体全体がまだダルいし、胃が張ったとも腫れたともつかない不愉快な感じがずっと続いて、食欲もまったく感じられないので、コンビニで売られている栄養補給のゼリー飲料をひたすら飲んでいた。夜の飲み会のお誘いも全部断り、早々にホテルに帰って寝た。

 

そして今日4日、朝はゼリー飲料で済ませたが、昼にはだいぶ回復したようで食欲も出てきたので、昼からは普通のものを、しかしナマモノは極力避けて、食べるようにした。酒は未だに飲む気になれない。このまま断酒でもしてみようか。あと、除菌ティッシュ作戦はあまりに不経済なのと誰が見ても潔癖症の神経質野郎としか思われないので早々に見切りをつけてやめました。日本側ボスと夕食を食べて2時間あまり経過したが特に問題なし。もう大丈夫だろう。

 

すっかり体質がインド人化してしまった感があるが、とりあえず明日で予定の業務は一通り終えて実家に帰省予定。