タオ島2日目以降の件(3日目編)

3日目について。

朝,ニワトリのコケコッコーな鳴き声の大合唱で目が覚める。スマホを見るとまだ朝5時だった。この状況が延々続くのでまんじりともできない。しかし窓を閉めると暑くてたまらないので,これには参った。

 

この日も朝7時(7時15分)に店の前に集合。この店で買っていると思しき猫と犬が客に愛想を振り撒きまくっている。

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僕は犬が好きだが,猫も好きである。どちらも遠慮なくナデナデさせてくれた。猫のほうは客の前に来てゴローンと寝転がって好きなだけモフらせてくれた。犬も猫も野良と違って明らかに毛並みがいい。

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これはたぶん野良猫。宿の廊下にいました。夜になると餌をねだってニャーニャーうるさい。僕はいっさいあげなかったけど,隣室のMさんは僕を遥かに上回る猫好きで,あとで話を聞いたら夜に少し食べ物をあげたそうだ。まあ,気持ちはよく分かります。腹減ったよーっていう切ない声で泣くのよね。

 

昨日と同じ要領で海に出て潜り,移動,潜り,昼飯…という順番で行動する。休憩時間中,船長室のベッドの上で女の子がお尻丸出しで寝ていた。それを船長さんがうちわで仰いで涼ませている。のどかですなぁ。

今回の昼飯は少し時間にゆとりがあったので,店でみんなで食べた。

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ポークカレーっぽいもの。上に半熟の目玉焼きが載っている。タイ料理じゃないけど,マレーシア料理のナシゴレン的なものと言えば,分かる人には雰囲気を分かってもらえると思う。100バーツぐらい。美味。

 

3本目のために船で移動中に猛烈な土砂降りが発生。体に当たると痛いほどの勢いで吹き付けてくる。寒い。こんな場所で,しかもこんなタイミングで寒い思いをするとは思わなかった。しかし,10分ほどで止む。そのあとはまた日差しが強くなった。海の天候の変化は激しい。

 

4本目は昨日に引き続き非常に水が綺麗だった。

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写真だとちょっと分かりにくいけれど,15mぐらい下の水底がくっきり見える。魚もガンガン見える。近くにいた別チームのガイドさんに「ここはいつもこんな風にきれいなのか?」と訊いたら,ゆっくり首を横に振りながら「自分もこんなのは初めて見た」としみじみ答えた。潜ってみると視界の果まで砂地が続く幻想的な風景で,締めくくりには最高だった。そのぶん魚は少なめだったので,魚めあての人にはつまらなかったかもしれない。

 

陸に戻ると,お店の人がお客さん全員を集めてディナーを開いてくれるという。といってもお金は全員から頭割りで徴収するので,さっそくお金をおろしにATMに行った。タオ島にはそこかしこにATMにがあって,クレジットカードさえあればキャッシングに不自由しない。その代わり為替変換の手数料が高くて220バーツ(600円以上)もする。

さて,これが大失敗。手続きをしても金が出てこず,画面になにやらタイ語でむにゃむにゃ表示され,しばらくしたらカードが出てこずにそのままATMに食われてしまった。この時も画面にはタイ語がむにゃむにゃ書かれており,その合間に電話番号らしい数字が並んでいるので,たぶん「エラーが起きたからここに電話して相談してください」的なメッセージだったのだと思う。しかし僕のスマホはインドのSIMなのでここでは使えない。困り果ててATMに隣接した薬局に入りレジのおばさんに相談するも,英語がぜんぜん通じないので意思疎通できない。身振り手振りでATMにカードを食われてしまったことを伝えてやっと理解してくれたものの,その人もどうしてよいか分からないとのこと。それでも八方手を尽くしていろいろ調べてくれ,そのATMを運営する銀行の緊急連絡先に電話してくれたが,自動音声にたらい回しにされておばさんのほうがキレ始めた。埒が明かないので丁重にお礼をして退散する。その後ガイドさんにも相談してみたが,タイものんびりしたテキトーな国なので,しかもここは離島ということもあり,大至急の対応は望めないだろうとのこと。残念だが綺麗サッパリ諦めることにして,インドに戻ったらすぐに口座を凍結することにした。

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これが憎きATM。こんな正拳突きができるものなら食らわしてやりたかった。

ここで得た教訓は…上記の通り為替手数料が高いということもあり,こまめに引き落とすよりも,まとまった額を旅の最初に一度に引き下ろしてそれを計画的に使ったほうが安全だし財布にも優しいということだ。なお,今回食われたカードはインドで普段使いしているデビットカードだったので正直インドでの生活にも支障を来しかねなかったのだけれど,日本のクレジットカードで別のATMでキャッシングできたので,そこで少しまとまった額を引き下ろして当面の生活資金に充てることにした。

 

もうだいぶ前になんかの本で読んだときの情報なので正確な出典は出せないけれど,財布を紛失するというのは,人生におけるストレスの中でも万国共通でかなり上位に来るそうだ(たしか一位は肉親との死別,二位が解雇…という順番だった記憶あり)。僕の場合は財布ほどダメージは大きくないけれど,この一件のせいでこれまでのリゾート地の浮かれポンチ気分が一気にどん底に落ち込んだ。

そんな状態でディナーの会場に向かうと,ムーカタ?というジンギスカン鍋的なものだという。それは美味しそうだ,と少し気を取り直すも,食材が僕にとって鬼門なエビ・イカやモツ類が大半で,ちょっと切なかった。

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これがその鍋。炭火の上に鍋が載っている。淵の部分にはスープが注がれて野菜が詰め込まれ,上部で焼いた肉や魚介の出汁が流れ込んで極上の野菜鍋になる,という寸法。僕にとっては残念だけれど,他の人達はみな美味しそうに食べていたので,間違いなく一級の料理だろう。

 

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リポビタンD的なもの。炭酸の無いリポDという味。これはこれで美味しい。

 

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ライブ演奏もやっている。タイ語の曲を演奏していたけれど,途中から谷村新司の昴やドラえもんの主題歌を歌い始めた。

 

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そのうちに謎の別ボーカルが乱入し始め(おそらくバンドのメンバー),Guns'n Rosesの有名曲をいくつか熱唱しだした。

 

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謎の犬が客席を巡って餌をねだる。首輪をしているのでたぶん店の飼い犬なんだろう。僕は豚肉を焼いたものを少しあげてみた。喜んで食べていた。

 

そうこうしているうちにお開き。一人いくらだったか忘れたけれど,そんなに高い値段ではなかった。しかし,僕はほとんど食べていないので別の場所でタイ料理を味わうことにした。そこで訪れたのがここ。

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アメリカやイギリスにありそうな,いわゆるスポーツバー。パッと見で客がほとんどいなかったので,ここなら手早く食べられるだろうと思い突入。こんなところでタイ料理なんかあるんかね?と思われるかもしれないが,絶対にメニューの片隅に載っているだろうと踏んだのだ。案の定「Thai Cuisine」というコーナーがあったので,そこでタイカレーを注文する。

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いやぁ美味しい。ココナッツのまろやかな風味がこたえられない。タイでは(僕が食えるものは)何を食っても本当に美味い。

そうして比較的静かな店内でガツガツと食べていると,しばらくして雰囲気が一変。

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20代前半と思しき白人の男女が大集団で店に入ってきた。確実に50人以上いる。みんな同じガラのシャツを着ているので,スポーツチームか大学のクラブか何かの遠征だろうか。一気に店内が騒がしくなり,店内のアジア人は店員以外では僕だけになった。大音量でライブ生演奏が始まり耳が麻痺してくる。男も女も健康的に露出度が高くて,しかもタトゥー入れまくり。あまりにもアウェー感が強い中で開き直ってずっとグリーンカレーを食っていたら,僕の周辺だけまるで結界が張られているかのように人のいない空間が出来ていた。

 

現実離れした不思議な状況の中でグリーンカレーを食って満足…したが,店を出てしばらく歩くとたちまちカードを食われた件が彷彿と思い出されてきてまた胸クソが悪くなってきた。いやぁ本当に財布や金品を喪失するというのはストレス大きいな。セブンイレブンでビールを買って宿に戻って飲んで歯を磨いて寝る。

 

最終日はまた明日書きます。今日はもう疲れた。あと記事を書いていてカードの件がまた思い出されてきてムカムカしてきた。