豚肉

以前,肉を買いに行こうとして結局果たせなかったということがあった。あの時以来,なんとかもうちょっとまともに肉を買いたいと思っていたのだけれど,いろいろ調べた結果,バンガロール一番の大通りであるMGロード沿い,それもメトロのMGロードから数百メートルほど歩いたところにBangalore Ham Shopという店があることを知った。これならメトロで片道40分ほどで行けるし,帰りもメトロなので炎天下とか排気ガスにも悩まされることもなさそうだ。

 

そういうわけで行ってみた。

 

思いのほかこじんまりとした店だけれど,そこそこ人の出入りが多くて繁盛しているように見える。インド人の若いカップルなんかも入ってきて,疲れてぐったりしている彼氏だか旦那だかを尻目に相方の女の人がベーコンとかポークリブ(肋骨のところ)を頼んでいた。メニューをチェックすると,Pork Belly(豚バラ)というのがあったので,これはチャーシューを作るのに使えそうだということで500g注文した。そうしたら,店の奥の方でややくぼみのある大きなマナ板に,例によって巨大な豚肉を載せて,武器になりそうなごついナタでバンバン叩いて肉を切り出し,秤に載せて重さを測ってからビニール袋に入れていた。ついでに何か買おうかと思ってメニューを見ていたら,Pork Slice (Korean)というものが見つかった。なんとなく韓国料理でブルゴギとかに使う薄切り肉なんじゃないかと想像して5枚くださいと頼んだら「500g単位なんだ」と言われた。うーむ,正体不明なのに500gか…と少し躊躇したけれど,こちらの韓国料理のレストランは基本的に美味しいので,それを信じて500g買ってみることにした。すると,レジ手前の冷凍庫からパックされた豚肉スライスの袋を出してきた。500g単位ですでに袋詰にされて冷凍されているのだ。これを見ると大当たりで,ベーコンぐらいの大きさの豚バラ肉がぎっしり詰まっていた。これなら生姜焼きとかに使えるだろう。

豚バラも500gなので,合わせて1kgの豚肉を買った。値段は400ルピーで,700円しないのだ。安いなーそれにしても。ウキウキしながらメトロに乗って家に向かった。

 

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そうして買ってきたものがこれ。右側が豚バラ薄切りで,左側が豚バラの塊肉。この塊肉を手にとってよく眺めてみると,脂肪の部分が皮付きだった。この皮の表面をよく見ると毛穴がいっぱい見える。なんとなく(デブい色白オッサンの背中の皮はこんな感じだろうか…)と気持ち悪いことを考えてしまった。この皮は美味しいらしいけれど,やっぱりどうにも気持ち悪いので,もったいないと思いつつ取り除くことにした。脂身と一体化しているので脂身ごとごっそり取れてしまい,ちょっと哀しかった。チャーシューは脂身が美味しいのに。

 

その後,まずチャーシューを仕込み,超弱火でとろとろと煮込んでいる間に生姜焼きを作った。

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醤油がちょっと多すぎて焦げが多くなってしまったけれど,味はおいしいんですよ,いやホント。あえて改善ポイントを挙げるとしたら,生姜をケチらずにもうちょっと多くすべきだったことか。

キャベツはザワークラウトで,キュウリは自分で漬けた漬物。ニンジンは生のやつをそのままスティックにしたもの。 これだけ野菜があればとりあえず充分だろう。味は素朴な生姜焼きで充分満足です。特に臭いということもないし,あの安さでこの質の豚肉が食べられるなら100点満点だろう。むしろ日本に入ってきている添加物とか成長ホルモン山盛りの外国産豚肉なんかより,ここの素朴な牧場で育てたような豚肉のほうが健全かもしれない。

 

煮込んでいるチャーシューは,今後数日掛けてじっくり熟成させてから食べる予定。