火災報知器の誤作動

体調はほぼ完全に回復した。昼頃まではちょっとお腹の調子が悪かったので昼食を抜いたら,夕方ごろになって猛烈な空腹に見舞われた。あんなマズい社食カレーでもやっぱり抜くと欲しくなる。

タイ帰国後に普段着の短パンを履いたら,う◯こをしてお腹が空っぽであったにも関わらずお腹周りがキツかったのにショックを受けて,せめて平日は飲み会でなければいっさい酒を飲まないことにした(前もそう書いて挫折した気がするけど)。

 

うーむ,ネタがない。

 

という締まりのない記事を書いて提出しようとしたちょうどその時に,突然この世の終わりのような警報が部屋の外の廊下中に鳴り響いた。イメージとしてはアレだ,核戦争が始まったときのサイレン音だ。たとえば以下のような(音量注意)。


海外版-核兵器・生物兵器・化学兵器に対する非常事態警報

 

こういうのは,甘く見ていると実は本当に火事で,悠長に構えているうちに煙と火が階下に立ち込めて逃げられなくなって死んじゃうヤツだなと思ったので,とりあえず肌着のまま例のキツい短パンだけ履いて,スマホと部屋の鍵だけ持って部屋の外に出た。他の部屋のインド人たちも少しずつ廊下に出てきて,どうしたどうしたと混乱している。サイレンはどんどんヒートアップしてきてチャイムが乱打される音まで入ってきたが,とりあえずエレベーターが動いているので「やっぱり誤作動なんだろうか」と隣のインド人の兄ちゃんに言うと,すかさず「いや,こんなシステムどうせ適当だから信用しない方がいい」とまさかの自国Disり発言。これにはちょっと笑ってしまった。ああ,インド人でもそう思うのか,と。

そのうち恰幅が良いご年配の紳士も出てきて「なんだねこれは,寝てたのに」とブツブツ文句を言う。ご近所のお姉さんは「怖いわ〜。ついキッチンに飛び込んで火をチェックしちゃったわ」とつぶやく。「まあ,とりあえずレセプションに行きます」と僕が言って階段に向かうと,みなさんも嫌々ながら動き始めた。

 

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こんな感じで階段を降りる。ここは13階だけれど,6階あたりからは照明が消えていて真っ暗になってしまっていた。ただ,サイレンが鳴っているのはどうやら上層階だけで,低層階は静かなものだった(といっても上からサイレンの音が聞こえてはくるのでびっくりはするだろう)。

 

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そうしてレセプションに行くと,インド人や他の会社の日本人駐在員の人たちがぞろぞろと集まってくる中で,守衛たちが結集して必死に操作盤らしきものをいじっていた。訊いてみたら「False alarm」と言う。やっぱり誤作動だったのだ。なーんだということでみんな一気に緊張感が緩む。守衛たちだけが必死に操作盤と格闘していたけれど,驚いたことに誰も操作方法をまったく知らず,デタラメにスイッチをON/OFFにしているようだった。そのうちにレセプション一帯がパッと真っ暗に瞬電してしまう。どうやらブレーカーを落としたらしい。すぐに回復したけれど,もちろんそんなことでアラームは消えない。っていうかアラーム消すためにブレーカー落としたという行動にビビる。「出たよインド式」という声が背後から聞こえた。案の定そのせいでエレベーターが止まってしまったらしく,中に入っていた人が真っ暗な中に閉じ込められてパニックになっているのが,守衛の机上にある監視モニターの画面から見えた(上写真の青い画面のモニター)。他の日本人の方と一緒にそれを見ながら「ああぁぁ,可哀想に…」とハラハラする。そのうちに電気は復活したけれど,エレベーターは止まったままらしく,その閉じ込められた人は頑張って手でドアをこじ開けようとしていた。火災報知器が鳴っている時にエレベーターなんか乗るなよ,という話はあるけれど,それはそれとしてやっぱり可哀想ではある。

 

とりあえず誤作動だということは分かったのでもう部屋に戻ることにした。「これってもう帰って良いんですよね」「いまここにいるインド人たちってみんないつもの野次馬モードですよね,きっと」「車が事故った時と同じパターンですね」という会話を他の駐在員と交わしつつ,また階段を使って必死に13階まで登った。幸いサイレンの音は消えていたので,今こうやって追記している。とりあえず,今後日本に帰ってマンションを買うことになったとしても,マンションの低層部か一軒家にしようと思った。