プーケット振り返り

日本に行くたびに雑誌や本を買うけれど,ちらっと立ち読みしたときは面白そうでも,いざ購入して手元にあるとなかなか読み進めない。飛行機の中で読もうと思っても,飛び立ったら機内誌読んで酒飲んで映画観て寝るだけなのでどうにもならない。今日は,そんな感じで積読状態になっていたものを適当に引っ張り出し,外やスタバにフラフラ行ってじっくり読んだ。いざ読み出すとけっこう集中するので,こうやって週に一度ぐらいは読書の時間に割り当てようと思う。

 

さて,1週間経ったので,写真を整理しながらプーケットのことを思い返してみたい。一日目の記事で「詳しいことはバンガロールに戻ってから書く」ということを書いた気がしたけれど,基本的には一日の大半を海の上で過ごしていて,そのことはすでに書いているので,それ以外の切り口で書く。

 

水の透明度について

残念ながら水の透明度はそこまで高くなかった。たまたまだろうかと思ってボートの上でインストラクターさんに伺ってみると「プーケットは水の透明度よりも魚影の濃さがポイントなので,水の綺麗さを当てにしてくるとちょっとガッカリしてしまうかもしれませんね」とのことだった。実際,魚の数は凄まじかった。魚の群れが泳いでいる中に入り込んでいったら,本当に上下左右が20〜30cmほどの大きさの魚だらけになってしまい,仲間の位置がまるで分からなくなってゾッとした瞬間があった。とはいえ,こういうときは落ち着いて横に移動すればすぐに抜けられる。

プランクトンだとか魚の粘液だとかう◯こだとかで水の中はカスだらけになっている。それでも余裕で10m以上先まで見通せるけれど,局所的に視界2〜3mになってしまう場所もあるので油断はできない。

タイの経験が豊富な人の話を聞くと,プーケットであってもサムイであってもだいたい判で押したように「うーん,透明度はいまいちですねぇ」という反応が返ってくるので,そういうところは期待しない方が良いかもしれない。そのぶん,魚を撮影したい人にとっては堪えられない場所だろう。

 

ロシア人が多い

これにはちょっと驚いた。自分はロシア語はまったく分からないけれど,それでも耳に入ってくる言葉を聞けば,なんとなくスペイン語っぽいなとかイタリア語っぽいなとか,そういうのはぼんやり分かる。今回,ボートの上でも街中でも,ロシア語っぽい言葉がよく聞こえてくるのだ。そして,食堂に入ってメニューを見ると,タイ語,英語,中国語(漢字)と並んで,キリル文字が書かれていることが多い。

この点についてもインストラクターさんに訊いてみたら,タイに来る外国の観光客は,中国人とロシア人がトップクラスで多いのだという。理由はいまいち不明だけれど,ロシアからは比較的近くて安いところだからじゃないかという。確かにそうかもしれない。まあ,あれだけ東西に長い国だと,タイがとてつもなく遠いという場所もあるだろうけど。

…と,ここまで書いているうちにやっぱり気になって検索してみたら,ずばり説明しているページが見つかった。要するに「今までの主要観光地(エジプトのシャルム・エル・シェイク)のフライトが事故ったことがあって,そのせいでプーケットに切り替える旅行会社が増えた」ことと「ルーブルが強くなったので海外旅行に行く人が増えた」ということらしい。

それにしても,ロシア人の皆さん,誰を見てもプーチン大統領ヒョードルそっくりな風貌をしている。同じヨーロッパ系といっても,西欧の人とは明らかに顔の作りが違う。人間って面白いですな。

 

地ビールがある

タイのビールといえば,シンハーやタイガーやレオといった有名どころばかりが目につくけれど,大きめのレストラン(特に洋食のところ)に行くと,やや割高な値段ながらも地ビールを出してくれるところがある。

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コアラ?の被り物をした謎の人物。ラガーだったろうか。忘れた。

 

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こちらはワニ。IPAだった。僕はもっぱらこれを飲んでいた。

 

どちらも実に美味しい。有名どころよりも味が濃いので,飲んでいて満足感が高い。今や世界のどこに行ってもこうやってクラフトビールを作るところが増えてきて,ビール好きとしてはつくづく良い世の中になってきたと思う。

 

道が静かで綺麗

これは以前サムイ島に行ったときにも感じたことだけれど,車がクラクションを鳴らさないので非常に静かである。といっても,タイが特別ということではなく,これこそが普通のあるべき姿だろう。この点は,やっぱりインドのほうがおかしいと思うのだ。また,道も綺麗に舗装されていて,歩道の部分もゴミが皆無に近い。

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ちょっと中心から外れた所に行くとこうやって未開拓で田舎臭くなってくるけれど,それでも道は綺麗である。こういう田舎道をジョギングをしている欧米人を見かけた。ああいうことはインドのように舗装がボロボロでゴミだらけだと辛いだろう。

 

先代国王について

知っている人も多いかもしれないが,先代国王が2016年10月半ばに崩御して,それからずっと,タイのあらゆる場所で喪に服す状態が続いていた。タイ航空のWebページでも,一時期は色調を落として白黒っぽくしていたほどだった。この王様は,実直かつ誠実な人柄だったことに加えて,実際にいろんな政策を王室主導で進めたり,国内に動乱が起きた時に敵対する双方の首謀者を一喝して押さえつけたり,地方の農民や市民とも親しく接したということもあって,国民からたいへん慕われたうえに,政治的にも非常に強力な人物だった。上のリンクにあるWikipediaの記事にもある通り,健康を崩したときには市民が病院の周りに集って祈りを捧げるようなこともあった。

そんなわけでタイ国民は例外なく彼を慕っており,反感なんてまず無いんだろうと思っていたが,今回プーケットでマッサージを受けたところでは,拙い英語ながらも国王を批判する人がちらほらといてちょっと驚いた。この人達の言うことは面白いぐらい共通していて「日本のキング(天皇陛下のことかと思われる)は政治に関わらないから,市民を困らせない。タイのキングは政治を自ら行う。そのせいで私達は働いても働いてもちっとも豊かになれない」ということを言うのだった。「私は毎日14時間働いている。家のこともほとんどできない。あの娘(といって別のマッサージ嬢を指差しながら)は16時間も働いている。なのにぜんぜんお金が貯まらない。キングが悪い」ということを言う人もいた。タイの意外な一面を見た気がした。完全無欠な為政者はいないということか。

 

4日目に行ったショッピングモールのことを書こうかと思ったらずいぶん長くなってしまった。またいずれ書く予定。