iPhoneの修理

先週のリゾートっぷりを改めて書こうと思ったけれど,本日iPhoneを修理しにいった顛末が面白かったのでそれを先に書くことにする。

 

リゾート地での二日目にLightningの充電口を壊してしまったので,バンガロールiPhoneの修理を請け負ってくれる「iRepair India」という店に行くことにした。Koramangalaという地域とWhitefieldという地域の両方に店があり,ちょっと遠くなるけども,まだ行ったことのないWhitefieldという地域を見てみたくてそちらに向かった。

 

で,現地に到着してみたら,ボロボロに錆びついた小さな螺旋階段を登ったところにある,こじんまりとした店があった。一瞬怯んだけれど,なんとしても直したかったので登って店の中に入った。すると…:

 

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こんな感じの,日本でいうワンルームぐらいの大きさしかない殺風景なオフィスになっていて,従業員らしい小柄で細い兄ちゃんが一人だけこの机に座っていた。

この写真に写っていない左側にはパイプ椅子がいくつか並んでいて,そこにサリーを着た客らしいお姉さんが座っていた(しかし,兄ちゃんはその人向けに何か作業をしているふうでもなく,僕が最終的に退出するまで,二人の間にはまったく会話がなかった。今でも謎)。

反対の右側のほうには別室に通じる口があって,その別室はごちゃごちゃと機材や道具が無造作に置かれた工房のようになっていた。他にも机の横にiPhone用のケースや充電器が陳列されていたけれど,どの箱も分厚く埃をかぶっていた。

 

こんなところに俺の大事なiPhoneを託すのか…と不安で仕方がなかった。

 

しかし,始まってしまえばこの兄ちゃんは実に真面目・迅速・丁寧にやってくれた。なんでそんなことを言えるのかというと,その工房らしい部屋にはドアがついていないので,待合室から作業内容が丸見えだったからなのだ。兄ちゃんは机の上に僕のiPhoneを置いて,なにやらいろんな道具を駆使して背蓋を開け,特に迷うこともなく細い器具でいろいろ取り外しながら,新しいLightningのソケットとコントローラーを装着し,また蓋をもとに戻した。そういう一連の手付きがとても丁寧でよどみなかったので,この人なら大丈夫そうだな,とちょっと安心した。

もう一つ感心したのが,ちゃんと修理完了後の動作確認をするチェックリストがあって,それをぜんぶ丁寧につぶして確認していたことだ。電源を入れて再起動できる,充電ができる,カメラが起動する,ホームボタンが正しく動作する,指紋リーダーが動作する…といった,Lightningに関係なさそうな部分も含めてざっと12〜3項目を,ひとつひとつ確認してチェックしていた。あぁ,これだ,こういう仕事のしかたをインドで見たかったんだ俺は,と感激した。

 

最終的に問題なく動作することを客(僕)と一緒に突き合わせて確認し,作業完了。税込みで3600ルピーぐらいを支払ってお礼を行って店を出た。いま,ちゃんと動作している。バンガロールに住んでいる皆さん,iPhoneの不具合で困っていたらiRepairという店に行きましょう。

 

以下は余談。

店を出たは良いのだが,車がまったく捕まらなくて閉口した。OlaでもUberでもまったく車が見つからないのだ。この修理屋のある大通りは小さい店がたくさんあって賑わってはいるものの,大きな会社のオフィスやショッピングモールが一切ない。ここにやってくるような人はだいたい現地の中間層〜やや貧乏な層の人たちばかりで,そういう人たちはだいたい自分の足(車やバイクやスクーターとか)を持っていたりバスを使ったりしている。だから,こんなところ客待ちをしていてもまるで商売にならないのだ。

…と,炎天下の中をとぼとぼ歩きながら考えた。配車が見込めそうなIndiranagarまで歩くことにしたけれど,そこまでですら10km近くある。けっきょく7kmぐらい歩いたところでギブアップして,不本意ながら久しぶりにオートリキシャに乗った。幸い土産物屋とかには連れていかれずに済んだ。Indiranagarに着いてToitでビールを飲み,メトロで帰宅。メトロは便利でいいなぁ。家に着いたらニヤニヤしながら充電して,泥のように昼寝した。