年末の暇つぶし

弊社は本日から始業日である。といっても、日本人もローカルスタッフも、休暇を入れて今週いっぱいはずっとお休みという人が多いのだが。職場が静かなので落ち着いて仕事できて良い。

 

さて、年末年始は少し外出したとは言っても基本ずっとバンガロールの自宅にいたので、暇を持て余していろいろと謎の料理に手を出してみたりした。

 

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まずはヒヨコ豆の豆腐である。ネタ元は以下のPeaceful Cuisineという企画の動画で、料理のネタを探してYoutubeをずっと眺めていたら見つけた。

 


[No Music] How to make Garbanzo Tofu

 

とても美味しそうに見えたのと、一見して簡単に作れそうに思えたので、ちょうどインドはヒヨコ豆がとても安く豊富に買えることもあり、さっそくHypercityでヒヨコ豆を買ってきて試した。

この動画の人は据え置きのミキサーを使って豆を砕いているが、あいにく自宅にはそれが無かったので、たまたま相棒がインドで買ったハンドミキサーを使うことにした。たぶん僕の根気が足りないというのもあるんだろうが、据え置きのミキサーと比べたらどうしても細かく崩しきれず、滑らかさが足りない状態になってしまった。たぶんさらに10分ぐらい掛けて混ぜていけば滑らかになったんだろうが、5才児並みに根気がない僕には到底無理でした。

たぶんそうやって要所要所でサボったり手を抜いていたからだろうが、ミキサーで砕いてから濾したものを鍋に入れて火にかけた段階で、何やら半透明な塊(ダマというんだろうか)がそこら中にできてしまい、試しにそれを食べてみるとゴムのような食感に無味無臭そのもので、極めてマズい。それでも突き進んで型(深皿)に流し込み冷蔵庫で冷やしたら出来上がったのが上記の写真のものである。パッと見は良い具合に見えるのだが、表面のところどころにブチ状に半透明のものが見えていてちょっと見苦しい。この半透明のブチが例のダマで、この豆腐の中のほうに僕の小指の先ぐらいの大きさのゴム状のものがたくさん埋まっている。

食べてみるとあまりの不味さに失望感が半端ない。柔らかい本当の豆腐らしい部分はまだ食えるのだが、ゴム状の部分がどうにも気持ち悪く、無理に食べていたら思わずオエッと嘔吐いて(えずいて)しまった。最終的には数日掛けて頑張って食べきったが、もう二度と作らんと誓った。動画の人は実に見事に作っているのだが、どうもこの人はプロであるらしく、僕とは比較にならないほど段取り良く丁寧に進めたのだと思われる。あるいはインドのヒヨコ豆特有の事情だろうか。とにかくこれは後悔しかなかった。改善を試みる気力も湧かない。食べただけでHPを消耗して視界がオレンジ色になった。

 

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続いてはタルト・タタン。これも同じPeaceful Cuisineの動画からである。この企画人の動画はどれも実に見事な出来栄えで、ぼーっと見ているだけでも楽しい。

 


Tarte Tatin (vegan) ☆ タルトタタンの作り方

 

アップルパイやアップルクランブルは何度も作っていて成果もそれなりに安定しているので、これも余裕だろうと舐めてかかったのだが、見事に玉砕した。これについては敗因は明らかで、パイ生地部分を小麦粉ではなくラギ粉を使ったからだ。家でちょうど小麦粉を切らしてしまい、Hypercityに探しに行ってもまったく見つからなかったので、ロティを作る材料としてたまに登場するラギ粉を買ってみたのだが、これが大間違いだった。小麦粉と違ってグルテンが含まれていないらしく、どんなに捏ねてもまるで生地に粘りが出てこないのだ。そこを無理やり突き進んだのだが、生地はどんなに焼いてもボソボソしてちっとも安定しないわ、色はラギ粉特有の色で黒ずんでくるわで、途中からオーブンの前で「あーこれはもう駄目です隊長!」と一人芝居をしながら焼き上がりをジッと眺めていた。最終的に焼き上がったやつを取り出したら、やっぱり生地が脆くてすぐにグズグズと崩れてしまった。相棒には「これは人様にはお出しできないねぇ」とバッサリ斬り捨てられてしまった。動画のようなクオリティのものには到底及ばなかった。年末に二度の敗北を味わった。

とはいえ見た目を忘れれば自分で楽しむぶんには充分食べられる味になっており、生地の部分もリンゴと混ぜて食べればサクサクしてそれなりに美味しいので、これはこれで今も地道に一人で敗戦処理している。また太るなぁと思いつつ。

 

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最後はギリシャ風ヨーグルトというやつである。日本にいた時パルテノというギリシャヨーグルトにハマっていて、何とかこれを毎日安く食べ放題に食べられないもんだろうかと思っていたところ、「普通の市販のヨーグルトの水分を濾し布でよくきれば、そのままギリシャ風ヨーグルトになるぞ」という話をどこかのウェブサイトで読んだ。そこで実際に試してみたところ、たいそう首尾よく作れて一時期毎日のように作って食べていたので、これをインドでも作ってみようと思ったのだ。スーパーに行くと1キロサイズの小さいバケツのような容器に入ったカードが超安い値段で売っているので、それを使ってみた。濾し布はこの前日本に帰国した時に母が「普通のガーゼを使えばいいんじゃね?」と勧めてきたものを使ってみた。

で、こういうものが出来上がったのだが、実際に食べてみるとギリシャヨーグルトとクリームチーズの中間のような食感になった。これはこれで充分おいしく、僕はこのままプレーンの状態でも食べられるのだが、蜂蜜なんかを垂らして食べるとさらに美味かった。パンに塗って食べるのも良いだろう。これは今後も作りたい。

なお、水切りの過程で出てきたホエー(乳清)も僕は平然と一気飲みしたのだが、相棒にはドン引きされた。

 

そんな一勝二敗な年末でした。