Vijaya Bank
出勤前にWTCの地上階にあるカフェでコーヒーでも飲みながら新聞読もうと思ったら、レジの目の前に生ケーキがドカッと置いてあった。僕はキウイフルーツを食べると顔中が腫れ上がり気管支が収縮して呼吸困難に陥るほど重篤なアレルギーが発生するので恐怖以外の何物でもない光景なのだが、そんな気持ちでコーヒー代の支払い中にケーキをガン見していたら、レジの兄ちゃんが「それ作ったのな、こいつだよ」と言って自分の背後にいるパティシエを指さして宣伝してきた。いや、それはいいけどさ、こんなところにケーキむき出しで放置するなと。さぞかしいろんな奴らの唾やインフルエンザ菌やらが吐きかけられていることだろうな。このインド感がたまらない。
新聞を読んでいてふと気付いたのだが、こちらの新聞は自殺の記事が多い。上に掲載しただけでも3つあるし、写真を撮りそこねたけどもう一つ自殺の記事があった。この4つが見開きの2ページに出てくるのである。日本の新聞にはちょっと見られない編集方針だと思うが、こういうのもお国柄なんだろうか。
カルナータカ州発祥のヴィジャヤ銀行(Vijaya Bank)というものがある。銀行自体には馴染みがなくても、一礼している執事?のような人のシンボルを町中で見かけたことのある人はいるだろう。
この銀行は1931年にA. B. Shettyという人によって設立されたという、なかなか古い銀行である。このShettyという人はいわゆる篤志家で、世界恐慌のせいで世界中の経済が不安定だった当時に、農民たちが低金利でお金を借りて生活を立て直せるように、また高利貸に搾取されることのないように、という思いでこの銀行を設立したのだという。そういう背景の銀行だから、決してメガバンクのような大規模な銀行ではないものの、地域社会や比較的貧しい人たちの間で広く利用されているらしい。そういうわけで今でも農民社会や発祥の地では、このShetty氏を篤く尊敬している人が多いのだそうだ。
ここまでが話の枕。情報源は主にWikipedia。
そして、最近になって、銀行の整理と強化のために、このVijaya Bank含む中小規模の3銀行を統合して一つの銀行にしようという国の動きがあるのだが、合併後の新しい銀行の名称にVijayaの文字が含まれないということになったらしく、それに強く反発して抗議している人たちがいる、というのがこの記事である。
まあ、別に日本人にとっては取り立てて何ということもない記事なのだが、「あぁ、あの看板の銀行の裏にはそんなエエ話があったんだなぁ」と思ったということと、あと僕は日本では三菱東京UFJ銀行の口座を持っているのだが、それが去年から「東京」の部分が無くなって「三菱UFJ銀行」になったということを、この記事を読んでなんとなく思い出した。僕以外の人にとっては割とマジでどうでもいい話です。