トイレットペーパー

日曜日は,いい歳をした社会人にあるまじく1日中グダグダして,日記を更新する気力すら湧かなかった。そんな自堕落っぷりを天が見ていたのかどうか分からないが,月曜日は朝一から会議や話し合いだらけでぐったりした。

 

こちらのトイレで,特にホテルや職場のようなビジネスビルなんかで大をした場合,トイレットペーパーは当然備え付けられているんだけれど,普通の便器横の場所とは別に,目の前のドアのコートやカバンを引っ掛けるフックのところにトイレットペーパーが刺さっている場合がある。換えかな?と思っていたけれど,便器の後ろが台になっていてトイレットペーパーのストックを置けそうな場所でも,ドアのフックに刺さっていることが往々にしてある。しかも,毎日観察していると,けっこう速いペースで減っていく。ストックではなくてちゃんと使っている人がいるようだ。

 

さて,唐突だが僕はすぐに鼻水が垂れる。話に熱中したり食事をしたり,そういったことですぐに鼻水で鼻がグズグズになる。特にこっちのスパイシーなものを食べるとなおさらだ。そういうわけで,食事中や食後にトイレにいってトイレットペーパーを使って鼻をかむということをしょっちゅうやっている。

あるとき,こちらのトイレでそうやって鼻をかんでいると,トイレットペーパーを鼻に当てた瞬間,強烈なウ◯コ臭がした。マジでウ◯コを目の前に突きつけられたような臭い。思わず素で「ぅわっ」と声が出てしまったほどだった。そんなことが何回かあって,こっちのトイレットペーパーは素材か何かのせいでそういう臭いがするんだろうと考えた。とにかく最初はそう思っていた。

 

そんなことを繰り返して,もうある程度覚悟が決まってしまって慣れっこになっていたある時,トイレの大便器が,床も便器そのものもビチャビチャになっていた。本当にバケツかなにかで水をぶちまけたように水浸しなのだ。こりゃなんだ!イタズラか!?と思ったら,ちょうどトイレの床をモップで拭いている掃除人のおじいさんがいたので,これは酷いですねと話しかけると「まったくだ,最近のやつらはちゃんとした洗い方も知らない!」というようなことを不機嫌そうに言った。洗い方・・・?と一瞬考えてしまったけれど直ぐに理解できた。これだ。

f:id:amaken1976:20160705000403j:plain

これは我が家のです。

 

どこに行っても,便器の横にこういう小型のシャワーが付いている。持ち手のところに握りレバーがあって,それを握ると水が猛烈な勢いで出てくる。これでおしりを洗うのだ。この時に,いわゆる不浄の左手でおしりをこするんだろう(直接インド人に訊いたことがないので本当のところは分からないが)。

 

ふ〜ん,そうなんだ〜,なるほどな〜,と思いながらトイレから出て職場の席に座ってマウスに手を伸ばしたまさにその瞬間,不意にすべてが繋がってしまった。

 

つまり,こういうことだ。不浄の左手と水でウ◯コをこすり落とす。石鹸なんかないけどとにかく水で洗い落とす。ウ◯コはそれでおしりからも手からも洗い落とされるだろうが,石鹸がないから臭いは残るだろうし,どんなに頑張っても微粒子ぐらいは残っているだろう。一通り洗い終われば,濡れたおしりや手を拭くためにトイレットペーパーを使うだろう。そのとき,目の前のドアのところにトイレットロールがあるのでそれに手を伸ばすだろう。しかし,いわゆるトイレットロールホルダーに嵌まっていないので,片手では紙を引き出せない。だから,右手だけでなく左手も使ってトイレットロールを持つだろう・・・。

 

目の前に座っているインド人の同僚がこっちを見て「ん?どうした?」と訊いてきたぐらいだから,その時の僕はよほど酷く表情を歪ませていたに違いない。