マスティック・ガム

朝晩はすっかり涼しくなった。ずっとこの調子であってほしい。

 

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シャルム・エル・シェイクの記事で「面白いものがあった」と書いたコレ↑であるが、これが非常に興味深かったので、詳しく書いてみたい。

 

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こうやって眺めても、これが何なのかを初見で当てられる人はまずいないだろう。最初は超高級な岩塩かと思ったが、それにしても高すぎる。この量で500円なんて、成城石井で買う岩塩どころじゃなくぶっ飛んだ価格付けで、カルフールみたいな大衆的なスーパーで売るもんじゃないだろう。そんなものを思いつきで買ったのも、エジプトという異国に行って浮かれたせいだ。

とりあえず「Mastque」だけでググったら、まったくもって無関係そうな画像や説明ばかりが出てきた。絞り込んでみようと「Mastque Egypt」などと入れたら、たった5件しかヒットしなかった。絞り込まれすぎ。そこで、ほとんど期待せずに日本語で「マストキュー」だの「マストーク」だの「マストック」だのと思いつく限りのカタカナ発音をいくつも入れてみたら、意外にもドンピシャらしいページがヒットした。このページを書いた人は凄い。

 

要するに特殊な樹の樹液を乾燥させたもので、「噛むと檜に似た香りがあり」などと想像を絶する説明が出てきた。意外なことに、エジプトではなくギリシャ発祥らしい。用途は、ガムと同じようにくちゃくちゃ噛むものだそうだ。つまり、いちおう食べ物ではあるらしい。まあ食品コーナーに置いてあったものだから、これで食べ物じゃなかったら詐欺だな。

 

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一度にどれぐらい食べるものなのか分からないので、5〜6粒ぐらいで試してみた。先に結論をいうと、これぐらいの量でちょうど良いと思った。

 

口に放り込んで噛んでみたら、想像以上に固く、噛むたびにバリバリとした食感を伴って割れる。パチパチキャンディの比較的大きい塊を奥歯とかで噛むと”パキッ”と破裂したような砕けたような音が響くときがあるが、あの感触に似ている。

そして、Wikipediaの説明通り、ヒノキのようなヒバのような、あの独特の香りが口の中に一瞬グワッと広がる。これ、僕は心の準備ができていたので平気だったが、ダメな人は絶対にダメだろう。

しかし、このヒノキのようなヒバのような臭いはほぼ一瞬で消え、あとは白い塊だけが残る。この塊も、いわゆるガムのような柔らかいものではなくて、プラスチックのような独特の硬さがいつまでも抜けない。口の中で噛み続けていてすら固いのだが、ちょっと口の外に出して放置しておいたら、ほんの10秒足らずでパリパリに固まってしまい、また口に入れて噛むと”ボリッ”という音を立てて割れる。ただし噛み続けていればまた少しずつ柔らかくなる。このガムを口の中で細く尖った形にしてから口の外に出せば、目潰しとかに使えそうなぐらいの凶器度が感じられる。犯罪小説で、殺人トリック用の小道具に使えないかな、とか考えてしまった。僕はガム類はけっこう平気で飲み込んでしまうほうなのだが、これは飲み込んだら胃や腸が傷つきそうなので、真面目にティッシュでくるんで捨てることにした。

 

まだけっこう余っているんだけど、あまり食う気にならない。どうしようか。