ハンピ紀行(6)

朝:自炊

昼:外食

夜:自炊

 

今日は恒例のインド映画鑑賞会に行ってきた。今までは午後の部にばかり出席していたけれど,今回は諸事情で午前の部だけということなので,朝9時に家を出発してメトロを乗り継いで現地に着いた。メトロが出来て本当に便利になった。これまで車で片道200ルピーぐらい掛かっていたところが30ルピー以内ぐらいで済むようになったので,本当に安上がりで良い。映画の内容はセポイの反乱をテーマにした実録物(当然ながら創作もいろいろ交えている)で,重厚な作りで面白かった。結末はブレイブハートと同じように,反乱の首謀者と見なされた主人公が敵味方の衆人環視の中で公開処刑されるのだが,主人公が死に際に熱い雄叫びを上げて,主人公の処刑が済んだところでインド人たちが決起する…というパターン。ブレイブハートはその決起するシーンでもどんより重い雰囲気が漂っていたような気がするけど,今日の映画のほうは「俺達の戦いはこれからだ!」みたいな超前向きなノリに加えてヒロインたち(娼婦とか女中)まで武器を手にとってイギリス人をザクザク斬り倒していく活劇で終わっていったので,あーお国柄だな,と。

 

さて,だいぶ間が開いたけれど続き。あと2回で終わらせる予定。

 

次に,MZNさんが「カエルの神様の石像っぽいのがある見たいンですよ」と言うので,みんなでそこに向かう。

f:id:amaken1976:20170806003131j:plain

車を降りてまたしばらく歩く。日差しは強いけれど,暑さはそこまで酷くもない。

 

f:id:amaken1976:20170806003201j:plain

そしてこれがその石像。カエルかー。確かにそう見えないこともないけど,どっちかというと猿じゃないかなー。正体は何だろうと思って近くの看板の説明を読んでみたら,ナラシンハというライオン顔の神様だという。ライオンっすか。なお,かなり大きいです。帽子のてっぺんあたりまでで優に6〜7mはあるだろう。こんなのが立ち上がって襲ってきたら逃げるしかない。

 

f:id:amaken1976:20170806003248j:plain

また,ちょうどそのナラシンハ象の周りの石畳の工事が進行中だった。まったくもって人力・人海戦術で,器械を使う様子はまったく見られない。

 

で,ナラシンハ象のところから再び車でちょっと移動すると,今度はガネーシャを祀る場所にやってきた。

f:id:amaken1976:20170806003309j:plain

f:id:amaken1976:20170806003325j:plain

 

ここも広々とした岩だらけの丘になっていて,石像よりも丘を歩き回るほうが楽しい。ついつい好き勝手に歩き回ってしまう。

f:id:amaken1976:20170806003341j:plain

摩耗した石階段が続いている。雨なんかが降ったら滑りやすくて危険だろう。幸いこの日は晴天もいいところだったのでその心配はない。

 

f:id:amaken1976:20170806003359j:plain

登りきった。けっこう疲れる。

 

f:id:amaken1976:20170806003416j:plain

振り向くとこんな風景。真ん中右側にある神殿っぽいのが先に出てきたガネーシャ像を祀っているところ。

 

f:id:amaken1976:20170806003433j:plain

先に進んで巨岩の奥を抜けていくと,なんと昨日の最後に訪れた夕日ウォッチポイントに出てきた。あそこと繋がっていたのか。彼方の空は雲が厚く見えるけれど,実際には燦々と日光が注ぐ気持ち良い青空がこの頭上に広がっていてとても爽快である。黄色い花も一面に咲いていて,曇り空の夕方に見た光景とは受ける印象が全然違う。おまけに朝早いので観光客もほとんどいなくて,実にのどかだった。観光客と思われるアジア人の女の人が一人でこの芝生のところに座って本を読んでいた。

 

f:id:amaken1976:20170806003449j:plain

そうやって風景を見ていると,ふくらはぎの部分に冷たいものがピタッとあたった。びっくりして振り返ると,わんこが鼻面をふくらはぎにあてていた。そのあとペロッとふくらはぎを舐めてから向こうに歩き去っていった。特に餌をねだっているわけでもなく,たまに遭う他の観光客にも愛想よくしながらどこかに去っていった。やっぱり犬は良いやつだ。

あまりに綺麗な風景だったので,丘の下に降りて他の3人にあらましを伝えると,喜んで飛んでいった。みんな感激したらしく,よく見つけましたねぇと褒められた。

 

次の場所に向かう。次も遺跡。

 

羊だかヤギだかの群れが車道の横をずらずらと歩いている。こんな風景が100m以上も続く。車を恐れる様子は微塵もない。

f:id:amaken1976:20170806003511j:plain

 

f:id:amaken1976:20170806003530j:plain

入り口についた。ここからまた車を降りて徒歩になる。木陰は涼しくて良い。

 

f:id:amaken1976:20170806003554j:plain

HAZARARAMA寺院らしい。

 

f:id:amaken1976:20170806003616j:plain

寺院入り口。他にも観光客が何組か訪れていた。

 

f:id:amaken1976:20170806003643j:plain

入口の写真の右側にある壁を撮影。こんな彫刻が寺院を取り巻く壁の一面にびっしりと彫り込まれている。

 

f:id:amaken1976:20170806003708j:plain

入口をくぐるとさっそくこういう建物が出てくる。

 

f:id:amaken1976:20170806003735j:plain

寺院内部。この日本の柱だけが黒々としていてひときわ目を引く。黒大理石だろうか。

 

f:id:amaken1976:20170806003751j:plain

f:id:amaken1976:20170806003807j:plain

彫刻が実に見事。だいぶ色がくすんでいるけれど,作られた当時はおそらく真っ黒だったんだろう。

 

f:id:amaken1976:20170806003834j:plain

f:id:amaken1976:20170806003851j:plain

f:id:amaken1976:20170806003936j:plain

寺院の外壁も凄い。隙なくびっしりと彫刻だらけ。

 

f:id:amaken1976:20170806003915j:plain

f:id:amaken1976:20170806004003j:plain

青空のおかげでどこを撮影してもサマになる。こうやって写真を棚卸ししながら眺めていてつくづく思うけれど,木材がいっさい利用されていない。完全に石材だけで出来ている場所だ。当時も今も,建築に利用できるような大きな木材はインドには無かったんだろう。大きな樹であっても幹はそこまで長くなくて,枝が四方八方に伸びているような感じだし。

 

そして最後の遺跡に向かう。次でラストです。