ハンピ紀行(5)

朝:リンゴ

昼:社食カレー

夜:自炊

 

とあるルートで入手した子連れ狼を読んでる。おもしれー。ヒンディー語で「それがし冥府魔道に生き六道四生順逆の境に立つもの」とか口走ってインド人に怪訝な顔をされてみたい。「孝・悌・忠・信・礼・義・廉・恥の八つを忘れた忘八者の俺たちに裏切りなンて言葉があンのかいッ」ってセリフを英語にすると一体どうなるんだろうかとか考え出すと止まらない。

 

というところで続き。

 

1日目の夜,シャワーを浴びようと思ったら水しか出なくて閉口した。体中ベトベトなのでそれでも我慢して浴びる。テレビを観ようと思ったら電波の入りが悪すぎてろくに番組が映らない。諦めて電気を消してベッドに入ったら蚊の襲撃にあってうるさいうえに体中を刺されて痒くてろくに眠れなかった。やっと意識が落ちてウトウトし始めたら,今度は猛烈な音量でイスラム教の礼拝の詠唱が響いてきて飛び起きた。部屋の近くに中庭があったので,おそらくそこで詠唱していたのだろうか。スマホで時間を確認したら明け方4時だった。仕方がないのでYoutubeで犬猫動画でも眺めて癒やされようとしたら3Gしか入らなくてまともに再生できない。まさに踏んだり蹴ったり。

 

というわけで8時ぐらいにまた水シャワーを浴びて朝食を食べに行く。MZNさんMYさんKさんもすでに食堂に来て食べていた。

f:id:amaken1976:20170802023857j:plain

米の蒸しパン「イドリ」を食す。イドリ自体はふわっとして少し酸味のある柔らかい味で,疲れた胃にちょうど良い。

 

f:id:amaken1976:20170802024053j:plain

ホテルの中庭。良い雰囲気である。ここでボサっと数日過ごすのも悪くないかもしれないなーと思いつつ,9時にホテルを引き払って,そのまま次の観光地に向かう。次の場所も有名なところで,ホテルから10分ぐらい走ったところにあった。

 

f:id:amaken1976:20170802024154j:plain

馬は本当に雑草ばっかり食ってる。選り好みとかあるんだろうか。こんな感じで水牛やらヤギやら馬やらが平然と放牧されているけれど,その周囲にこうやって遺跡があるっていうのが凄い。

 

f:id:amaken1976:20170802024452j:plain

そして遺跡内部への入り口。補修のためだと思うけれど,こうやって工事用のやぐらだらけだとちょっと格好悪い。

 

f:id:amaken1976:20170802024648j:plain

しかし中に入るとこれが素晴らしい場所だった。朝早いから観光客がほとんどいないということもあって,静謐なムードに包まれていて素晴らしい。遺跡もご覧の通りかなりきちんと手入れされているようで,廃墟のようなボロボロした感じがまったくない。おまけに天気が良いので青空がよく映える。

 

f:id:amaken1976:20170802024707j:plain

f:id:amaken1976:20170802024746j:plain

ここにも精緻な彫刻が壁といわず柱といわず一面に見られる。

 

f:id:amaken1976:20170802024726j:plain

これはたぶん狛犬的に配置された象なんだろうけど,首や鼻がもげてしまっている。

 

f:id:amaken1976:20170802024805j:plain

f:id:amaken1976:20170802024820j:plain

建築された当時はどれぐらい綺麗だったんだろうなぁとつい想像してしまう。

 

f:id:amaken1976:20170802024836j:plain

その一方で奥の方に行くと相変わらず怖い。心の底から信じていた皇后にハメられて暗殺された皇帝の呪いとかが込められていたらどうしようなんて想像して一人でゾクゾクしてた。

 

f:id:amaken1976:20170802024901j:plain

この人達は観光客ではなさそうで,どうも地元の奥様たちだと思われる。僕らがそこらじゅうを歩き回って建物をバシバシ撮影している間も,こうやってゆっくりのどかにずっとお喋りしていた。平和で素晴らしい。

 

f:id:amaken1976:20170802024919j:plain

いいじゃないですかこの雰囲気。

 

f:id:amaken1976:20170802024937j:plain

水を注いで貯めておく仕掛けがある。こういう様式の仕掛けはここに限らずインド中のいろんな寺院跡の遺跡に見られるものだけれど,この水がどうやって供給されていたのかは分からない。雨水をリサイクルする仕組みなんだろうか。

 

のどかなうえに空気も(比較的)綺麗で,寝不足でぼんやりしていた頭がすっかり覚めた。雰囲気をじっくり堪能しつつ,次の場所へ。

 

続く。