国際便終了のお知らせ

水曜日にいろいろ楽しいことがあったのでその話を書きたかったのだが、編集者(=相棒)が強力すぎてうまく書けなかったので、仕方なく別のことを書く。

 

昨日、インドが22日から29日までの1週間に渡って国際線の着陸を全面禁止するというニュースがインド中を駆け巡って、駐在員の間に激震が走った。今はまさに3月末に突入していくので、このタイミングで帰任する人もおり、みんなパニック状態である。

さらに言うと9歳以下と66歳以上の人は外出も控えるようにと要請が出ている。うちは66歳以上はいないが、9歳以下の子供がいるので、それが1日中家の中で蟄居状態になるのはかなり厳しい。

 

いやぁ、まさかこんな事態になるとはなぁ。どうすっぺ。しかも世界的にこんな感じのヒステリー状態だし。どうすっぺな。

コロナンナン

週末はどうしようもなく暇で暇で暇で家族全員で極限まで暇を持て余した。あんな、商店街の中のブティックと同じぐらい個人的にどうでもいい服屋の集まりのようなオリオンモールでも気分転換のためには重要だったんだなぁと思う。

 

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ショッピングモールやらレストランやらが一斉に閉まってしまったので、ひょっとして職場のカフェテリアもダメなんだろうかと思ったら、看板のランプが消えていた。あぁこれはダメなのかと一瞬がっかりしたのだが、どういうわけか人がちらほらとカフェテリア側から出てくる。なんだかんだでやってるのかなと思ったら、メニューが少なくなっていたけどいちおう営業していた。紛らわしい。

 

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夜、家の台所の棚を漁ったら、いつ買ったかも憶えていないこんな物が出てきた。せっかくなので食べてみることにした。

 

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以前、これの亜種というか本家というか、そういうものを食べたことがある。そちらは赤黒くて見るからに辛そうだったが、こちらは見た目は日本のインスタント焼きそばとさほど変わらない。香りも日本の焼きそばに似ている。食べてみると、確かに辛いことは辛くて汗だくになったのだが、それでも赤黒いやつよりマイルドに感じた。これもまた「あり」だろう。


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マンションのエレベーターのボタンもビニールで覆われた。これ、意味あるんだろうか。こまめに拭かなければ結局みんなボタン触るんだから無意味な気がするのだが。

 

これで〜いいのだ〜、これで〜いいのだ〜、ナンナンコロナンコロナンナン、という替え歌が不意に頭に浮かんで離れない。どうしよう。

文明崩壊後の世界

3月も中盤をまたぐころになって徐々に暑くなってきた。日中は余裕で30℃を超えている。それでも湿気がないだけずいぶん助かる。

 

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昼12時半ごろ、オリオンモールの様子を偵察しに出向いてみたら、本当に人っ子ひとりいない。たまに守衛さんが歩いているぐらいぐらいで、まさに無人の街である。もちろん、広場に面したレストランも全部閉まっている。それでも粘り強く観察していたら、たまにモールの中から外に出てくる人たちがいる。見た感じレストランなどの店員さんっぽいので、食材の管理なり戸締まりの確認なりをしにきているんだろうか。ひょっとしてモールの中に入るぐらいなら大丈夫なのかなと思って入り口に向かってみたが、やっぱり守衛さんにダメだと言われてしまった。まぁ、それはそうでしょうな。

シェラトンホテルまで足を伸ばしてみたが、こちらは当然営業していて中にも入れる。ただし中に入る人はみんな非接触体温計で検査されていた。いずれにせよ、外食したかったら最終手段としてホテルが残っているということは確認できた。

 

昼下がりの午後3時頃になり、普段なら家の中でも開けた窓から外の喧騒がほんのり聞こえてきて活気をほんのりと実感できるのだが、今日は本当にマンション全体が無人化したかのようにシンと静まり返っていた。ちょっと薄気味悪い。

とりあえず在宅勤務は(まだ)無し

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1週間ぐらい前からだったと思うが、他人に電話をかけるといきなりおっさんがゲホゲホと咳き込むところから始まり、お姉さんがコロナについて警告するメッセージが流れるようになった。初めてこれに出くわした時はもちろん何も知らないので、電話を掛けた相手が猛烈に咳き込んでいるのかと思って「おいおい、大丈夫か?」と話しかけてしまった。

というところで冒頭のSMSメッセージであるが、どうやら政府の指示でそういうメッセージを流すことが義務付けられたらしい。インド政府必死だなと言いたくなるが、実際必死なんだろう。笑ってる場合ではない。

そして今日、今後1週間ショッピングモールやレストランや映画館等が1週間閉鎖されるというニュースが流れてきた。水曜日にカルナータカ州で76歳の老人が死んだのだが、それがインドでのコロナによる初の死者であると断定され、それを受けての御触れらしい。また、Google社員から感染例が出たという話もあったためなのか、IT企業も出勤を見合わせるように勧告が出たという。これは特に強制ではないらしいのだが、夕方に会社の総務から「週明け月曜日は通常通り営業する、ただし公共の交通機関を使っている人は時差通勤も可能」という通達が出た。ひとまず在宅勤務ということにはならなかったようだ。

 

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エレベーターの呼び出しボタン全面にビニールが掛けられていた。殺菌洗浄しやすくするためだろうか。でも、エレベーターの中に入ったあとの階を選ぶボタンはカバーされていないんですなこれが。「ツメがあまい」「画竜点睛を欠く」とは、まさにこのことだろう。


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昼下がりのオリオンモール前広場。普段はかなり賑わっているのだが、今日はまるで午前中のように閑散としていた。明日からモールが閉まるわけで、さらに閑散とするんだろう。

 

18日に我がスキューバダイビングサークルの飲み会を企画していたのだが、この状況ではさすがにもう無理だろう。何しろ店が閉まってしまうのだから。無念すぎる。

いろんな影響

コロナ騒ぎはいつ収束するのかさっぱり見当もつかなくなってきた。中国は抑え込んだと宣言したらしいが、これを言い値どおりに信じてる人はいないだろう。

 

どこの国でもそうだろうが、社会全般で規制が厳しくなってきている。インドでも一昨日あたりから保育園〜小学校が全面休校になったし、僕の職場が入っているビルなどは、とある高層フロアにある会社の従業員ひとりがインフルエンザらしき症状を呈したとのことで、そのフロア全体が閉鎖となり、消毒殺菌処置を行ったという。そういうわけで、にわかにBCP(業務継続計画)の議論が発生し、そこらじゅうでプロジェクトごとに「もしビル全体が閉鎖されて自宅待機とか在宅勤務になったらどうする?」ということを検討しはじめた。

僕は今まで何度か在宅勤務をやったことがあるが、最初は非日常感があってかなり仕事がはかどった記憶があるのだが、馴れてきたらもうだめだ。10分おきぐらいにコーヒー作って飲んだり、すぐにWikipediaを読み始めたり本を読み始めたりSwitchでゲーム始めたりして、まるで仕事にならない。通勤がなくなるので在宅勤務を歓迎する人も多いだろうが、僕は職場に来るという儀式を踏まないと仕事ができないタチのようだ。

3.09事件

週末にMさんのお宅にお邪魔してお酒のグラスを傾けつつ奥様の美味しい手料理をごちそうになったので、そのことをじっくり書こうと思ったのだが、今日の出来事があまりに哀しかったので今日のテーマはこれだ。

 

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惨劇。

 

1.44円で辛いだとか泣いてるだとか書いたのに、そこからわずか3日程度でこの有様ですよ先生。血涙に加えて血尿と血便までジェット気流の勢いで逆噴射しそう。最近レイアウト変更でとみに席が近くなった職場のSさんにそういう話をしたら、もう深刻極まりないという表情で「ねぇ〜〜、そうなんですよねぇ〜、どうしよう」とこれ以上無いほどの勢いで同意してくれた。そこからはMさんやSZさんも巻き込んで「いっそ、ずーっとインドに口座を残しておきたいですねぇ」「金(きん)でも買いますか」「いまこそビットコインを…」「アメリカ赴任時の口座が残っているんでそっちに移しますか…」などと、ひたすらダメージコントロール財テク話に花が咲く。

正直、インドに口座をずっと残しておくというのは、もし可能であれば最良の案だと思う。なにしろ利率が日本とは比べ物にならないほど良いので、いっそ老後に向けた貯蓄のつもりで10年でも20年でも塩漬けにしておけば良いのだ。

…が、残念なことにこの国ではビザが切れたら口座が凍結されてしまう。その後どうなるのかは誰も知らないが、おそらく一定期間が過ぎたら銀行なり国なりに召し上げられてしまうんだろう。あるいは、この国のことだからある日突然「非居住者の口座は今晩から漏れなく我が国が召し上げちゃいますヨガ〜♪」と御触れが出るのかもしれない。本当にありそうだから危険極まりない。やっぱりどこかで覚悟を決めて正規の手続きで日本に送金するしかないんだろう。

哀しみの円高

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地獄。

コロナのせいでインド国外に行けないだとか世界的に株価がもりもり下がっているとか、そういう嫌な話はいろいろあるわけだが、インドで働いていてインドで貯金している出向者にとって一番辛いのは、なんと言っても円高だろう。

思えば僕が日本からインドに赴任してきた2016年4月末当時は1ルピーあたり1.6円だった。それが2017年半ばぐらいには1.7円を超えて、内心でほくそ笑んでいたのだが、その後はじわじわ下がり続け、その後2019年の初めごろにパキスタンとインドとの間で戦争開始前夜のような一触即発の状態になり、その後8月だったかそのあたりでインドがジャンムー・カシミール州の自治権を剥奪した時にズガガガっと下がって1.5円台になってしまったと記憶している。その後は1.5x円の範囲をウロウロしていて、それがすっかりニューノーマル状態になってしまったと思ったら、このコロナ騒ぎのせいで日に日に下がって今や1.44円ですよママ。職場の日本人のみんながこの事態をただただ哀しんでいる。僕は毎朝Googleで「INR JPY」で検索してはさめざめと泣いている。いったい僕が何をしたというのか。「ガンジーも助走つけて殴るレベル」というフレーズが大好きなことへの報いだろうか。